<社説>電力需給が逼迫 省エネ策の発信丁寧に

07/02 05:00

 猛暑が続く東京電力管内では電力需給が逼迫(ひっぱく)し、全域停電(ブラックアウト)に陥らないよう今週、注意報で住民に節電を求めた。

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 これに伴い北海道電力の子会社北電ネットワーク(NW)でも「逼迫準備情報」を2日間出した。

 道内は供給予備率に余裕があったが、首都圏への送電を想定した対応という。協力は当然だろう。

 だが、どんな準備をすれば良いのか北電NWは発出期間中に具体的な情報提供をしなかった。これでは道民は困惑するばかりだ。

 北電が17カ月連続で電気代を上げ省エネの重要性は高まる。全国の節電要請期間も今月始まった。

 政府や北電側は、道内の特性に合った方法や時間帯を道民に発信する必要がある。今後も効果的に取り組めば、節約に加え首都圏の需給改善に資することができる。

 電力の安定供給には予備率が最低3%必要とされ、国は翌日見通しが5%未満だと「注意報」、3%未満では「警報」を発令する。

 首都圏は猛暑のうえ3月の福島沖地震で一部火発が休止中だ。4日連続で注意報が出たが、供給体制が整い当面の危機は回避した。

 一方の「準備情報」は、2日後に予備率の5%割れが見込まれる場合に送電会社が発信する。

 道内の送配電網を担う北電NWが準備情報を出したのは、互いに電力融通する東北、東京電力管内地域と一体で試算したためだ。

 実際には東北―東京間で送電する連系線が混雑したため、道内からの融通が困難となった。

 問題なのは北電NWの危機対応だ。準備情報を発出したのは「国の方針」だとして、節電は「無理のない範囲の配慮」を求めたのみだった。道内単独の需給予測も示せず当事者意識の低さが目立つ。

 道内はまだ冷房利用も多くない。家電のプラグをコンセントから抜き待機電力を減らすなど、身近できめ細かい例示が必要だ。

 道などが開いた連絡会議でも「道民が行動を取りやすいように分かりやすく」と要望が出た。北電NWの改善は当然だが、自治体も住民啓発を強め協力してほしい。

 来月分から北電の電気料金は標準世帯で8862円となり、昨年4月分の1・23倍まで上昇する。

 燃料高騰を転嫁できる制度の上限に達したという。火発比率の高い北電は長年全国最高水準の電気代を課し、物価高の中で家計や企業活動への負担は限界に近い。

 安易に値上げするのでなく、企業努力で吸収を図る一方、率先して省エネ策を発信すべきだろう。

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