北海道

感染者の行動歴、未追跡100人 札幌市 コロナ電話調査に特命部隊

2020/11/15 09:03 更新
約100人体制で聞き取り調査する職員たち(写真は一部加工しています)=13日午後5時、札幌市役所(小川正成撮影)
約100人体制で聞き取り調査する職員たち(写真は一部加工しています)=13日午後5時、札幌市役所(小川正成撮影)
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 道内の新型コロナウイルスの感染者数が9日連続で3桁を超す中、札幌市が、感染封じ込めに欠かせない感染者の行動歴調査をさばききれなくなっている。13日現在で抱える調査積み残しは約100人分。調査遅れは感染の恐れがある濃厚接触者を放置することにつながる。市は12日から担当職員を大幅に増強、国や他県の支援も受け、人海戦術で「積み残し解消に1週間でけりをつける」と躍起だ。

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 「濃厚接触者に該当する人を調べています」「どんな症状ですか」。13日夜、市役所にある約300平方メートルの会議室。長机と電話、パソコンがずらりと並び、電話の呼び出し音とキーボードをたたく音が響く。約100人が手分けして電話での聞き取りと、情報入力を行う。熱気にあふれ、さながらコールセンターだ。

■深夜に聞き取り

 調査では氏名や住所、家族構成や立ち寄り先などを聞き取る。早く詳しく聞けるほど、感染拡大の芽を早期に摘み取れる。「雑談するうちに立ち寄り先を思い出す人もいる」(市幹部)ため札幌市が最も重視する作業だ。6月に起きた、日中にカラオケをする「昼カラ」客らのクラスター(感染者集団)も、市保健所の聞き取りから見つかった。

 札幌では10月下旬から日別の感染者数が増加。接待を伴う飲食店従業員からの聞き取りも増えた。夜働く人に電話がつながるのは深夜。無症状の人から相手にされないこともあれば、酒に酔った人に電話を切られることもある。連絡がつかない人もいる。

 調査で濃厚接触者と認定した人に通告するのも重要な仕事。行動範囲が広い若い患者では、濃厚接触者が学校や友人、アルバイト先など複数になりがちだ。「行動を自粛してください」「PCR検査を受けて」と求め、検査の日時を決める。こうした作業に1人当たり1時間はかかるという。

 市は10月下旬に担当者を従来の10人から15人程度にしたが、それ以上に作業が増え、終業が午前0時を回る日も出てきた。聞き取りも「住所はどちらですか」ではなく、「札幌か札幌市外か」と二者択一にし、調査の時間短縮を図った。

 札幌市は今月7日、日別で初の3桁の感染者を確認。深夜まで作業しても、20人程度の聞き取り調査を翌日に持ち越さざるを得ない事態が起き始めた。

■他県からも応援

 このため12日は担当者を事務職にも広げて100人を投入し、約150人による調査専従の「特命部隊」を結成。長野、福井など10県から保健師ら約20人の応援も受けた。ある職員は「私たちがやらないと市民の命は守られない。歯を食いしばる」。膨らんだ積み残しについて市保健所の山口亮感染症担当部長は「1週間で解消できるのでは」と増員効果に期待する。

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