社説

<2019参院選>沖縄に基地集中 辺野古は全国の問題だ

07/20 05:00

 戦後、沖縄が背負ってきた負担はあまりに重い。今なお、国内の米軍専用施設の7割が集中している。

 その状況下で安倍晋三政権は米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設工事を強行している。

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 首相は就任以来「沖縄に寄り添う」と繰り返してきたが、実際の態度は違う。

 県はすでに辺野古沿岸部の埋め立て承認を撤回している。加えて過去2回の知事選に続き今年2月の県民投票では、移設反対の民意がより鮮明に示されている。

 なのに、国は県の承認撤回を脱法的とも言えるやり方で取り消し、希少な自然が残る辺野古沿岸で埋め立て域を広げ続けている。

 安全保障を理由に、国の政策を一方的に押し付ける姿勢は、対等であるべき国と地方の関係をゆがめている。沖縄以外の地方にとっても人ごとではない。

 沖縄の基地問題は負担の公平性も含め、参院選の大きな争点だ。

 自民党は公約で辺野古移設推進を掲げる。しかし沖縄選挙区では公認候補が賛否を明らかにしていない。昨年の知事選同様、争点をぼかそうとする意図が透ける。

 公明党は党本部が政府方針を容認する一方、沖縄県本部は県内移設に反対している。一貫性を欠き、有権者には分かりづらい。

 一方、立憲民主、国民民主、共産、社民の野党4党は中止、反対を公約に掲げ、政権批判を強めている。ならば普天間返還を含め、基地負担の軽減を米側とどう進めるか具体的に示す必要があろう。

 県は今週、石井啓一国土交通相が県による埋め立て承認撤回を取り消す裁決をしたのは違法だとして、裁決の取り消しを求める訴訟を福岡高裁那覇支部に起こした。

 国と県の対立はまたも法廷闘争に入り、出口が見えない。

 そもそも県の撤回理由には、辺野古沿岸部に最深約90メートルに達する軟弱地盤の存在が新たに判明したことがある。

 現計画では対応できず、費用も大幅に膨らむ。国が県の承認なく工事を強行し続けることができないのは明らかだ。

 国は普天間問題について「辺野古移設が唯一の解決策」とする。

 だが移設を最初に閣議決定してから20年たち、安全保障環境も変わる中「なぜ、唯一なのか」を県民に丁寧に説明したことはない。

 今回の参院選は、政権の地方軽視の姿勢と基地負担のあり方を国全体の問題として考え、投票する機会にしたい。

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