矢野直美 いつも旅日和

風鈴が、きりん

07/20 05:00

 夏の風物詩といえば、アサガオ、スイカ、入道雲、花火、とさまざまなものが頭に浮かびます。風鈴もその1つですね。たくさんの素材やデザインがある風鈴はそれぞれに魅力があり、ここ何年か自宅や仕事場で愛用しているのは南部鉄風鈴です。音がとても好きなのです。

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 風鈴の音を原稿を書くときは「きりん」「リーン」「りん」という表現をすることが主です。「リーン」「りん」は一般的にも使われる表現ですが、「きりん」はあまり耳にしない、とお世話になっている編集さんからいわれたことがります。「きりん」という表現を使いたくなる情景は、なにか別のことを考えていたり行っていたりするとき、ふいに風が動いてその瞬間だけ風鈴が鳴り、その音色が印象的に響く。ずっと鳴り続けているのではなく、意識が風鈴に向いているのでもない、ふいの、一瞬のこと。そういった状況に使いたくなるのが「きりん」です。

 風鈴は夏の鉄道旅でよく目にしたり耳にしたりします。駅舎やホームに飾られた風鈴の、喧騒に混じって聞こえる音色も、鳥の声しか聞こえない無人駅で耳にする音色も、旅先で出会う風鈴は素材やデザインを問わずいつも心をなごませてくれます。

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