社説

警察の不正兼業 調査徹底し再発防止を

07/17 05:00

 東京の出版社の依頼で、警察官が昇任試験対策問題集に執筆し、無届けで報酬を受けたとして、警察庁と11道府県警の警察官21人が懲戒処分や訓戒などとされた。

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 道警は、道東の警察署長の警視正を訓戒とするなど4人を処分した。懲戒処分はない。

 警察官は、法令に基づき逮捕や家宅捜索など強制力を伴う権限が与えられた存在だ。公務員の中でもより高い倫理規範が求められる。わずかな疑念も抱かれるようなことがあってはならない。

 その原則を踏まえれば、道警の処分は身内に甘いと言わざるを得ない。調査がどこまで徹底して行われたかも不透明な部分がある。

 公務員の兼業が禁じられているのは、職務専念義務があるのと同時に、公平公正な職務の執行が求められているからだ。

 原稿執筆などは特定の業者との癒着につながりかねない行為であったことを忘れていないか。そのことを肝に銘じ、調査を尽くして再発の防止を求めたい。

 今年1月、警察庁と17道府県警の警察官計467人が2017年までの約7年間に、計約1億円の報酬を出版社から受け取っていたことが明らかになった。

 その後、道警については、警察官やOB計75人に計859万円が支払われていたことが判明した。処分された4人の報酬は計450万円にとどまる。残る調査内容については明かされていない。

 道警は大半が匿名で執筆したことから、道公務員倫理条例が定める「職責や立場を明らかにした上での報酬」に当たらない、などとして処分対象としなかった。

 条例が1回5千円を超える報酬を受け取るごとに報告書提出を求めているのは、透明性を維持するためだ。匿名が除外の理由となるのなら、どんな高額な報酬も受け取ることが可能にならないか。

 条例の不備は明らかだ。改正に向けた議論を求めたい。

 出版社への内部文書の提供も深刻な問題だ。守秘義務違反に当たる可能性があるばかりか、捜査手法に関する文書の流出は、犯罪に悪用されかねない。

 道教委など他の組織の兼業禁止違反の事例では、より厳しい処分につながる例もある。警察だけが軽い処分で良いという理由は見当たらない。

 一連の兼業を巡っては組織的関与も疑われた。税務申告の有無を含め、どのような調査が行われたのかについても、道警はしっかりと説明する責任と義務がある。

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