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<新刊と文庫>「まんがで読む はじめての猫のターミナルケア・看取り」など

07/14 05:00

<単行本>


◆まんがで読む はじめての猫のターミナルケア・看取り 猫びより編集部編

 愛猫の終末期に何ができるのか。余命わずかと診断された猫のもすけと飼い主の日常を描いたまんがを中心に、獣医師ら専門家のコラムで構成。食事や投薬のテクニック、緩和ケアなど病状に沿って紹介し、最期をきちんとみとるための情報を紹介する。(日東書院本社 1404円)

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◆農業大国アメリカで広がる「小さな農業」 門田一徳著

 米国では、小規模生産者が消費者と直接取引するコミュニティー支援型農業(CSA)が広がっている。売り手にも買い手にもメリットがある取引手法とは? 東北のブロック紙「河北新報」の記者が米国で取材し、平易な言葉でまとめた。日本の1次産業の今後を考える参考になる。(家の光協会 1944円)


◆文化社会学界隈 井上俊著

 社会現象を統計やデータなどで分析研究する社会学を用い、文化の諸相を解明する“文化社会学”。その研究者である著者が、小説、漫画、映画を遊歩しながら作品の本質を思索したエッセー集。トルストイ「アンナ・カレーニナ」や黒澤明の「姿三四郎」を巡る論考が刺激的。(世界思想社 2916円)


◆文学の中の家 スーザン・ハーラン著
 米国の研究者が名作文学に描かれた家やインテリアについて、作中の登場人物が語る形式で紹介。「嵐が丘」では、お屋敷で困っていること、「罪と罰」では下宿の自慢のDIYなどが語られる。家の描写を通して作品の内容に踏み込む優れた文学批評にもなっている。富原まさ江訳。(エクスナレッジ 1944円)

◆孤闘の詩人・石垣りんへの旅 万里小路譲著
 働く女性の視点で“生活詩”を書き続けた詩人、石垣りんについての評論集。作品の精緻な分析とともに、創作の背景を探った評伝で、詩人の全体像が浮かびあがってくる。エッセーも紹介しながら、H氏賞受賞の名作「表札」が書かれた状況などを読み解く。(コールサック社 2160円)

<文庫・新書>


◆グレン・グールド 吉田秀和著
 音楽評論の大家による天才ピアニスト、グレン・グールドについての評論集。1989年刊行のベストセラーを文庫化した。バッハなどを新しい解釈で弾いた演奏を絶賛し、才能を世に伝えた60年代の評論から、グールド没後のエッセーまで、音楽の素晴らしさが伝わる。(河出文庫 864円)

◆駿河の海 北川哲史著

 幕末の名奉行、筒井政憲が諸悪を裁く時代小説。伊能忠敬による「大日本沿海輿地全図」の駿河、伊豆、相模の地図が何者かに差し替えられた事件を巡る表題作。水戸藩や老中水野の悪事をネタに強請(ゆすり)を働く小普請坊主を描く「河内山宗春」。旗本の妻が命を懸けて夫の悪巧みを止める「密通」の3話。(光文社文庫 778円)


◆暴走するネット広告 NHK取材班著
 増大するインターネット広告の問題を取材したテレビ番組を書籍化。有名人の画像を無断で加工・使用し、あたかも推薦しているように商品を宣伝するフェイク広告。広告収入をかすめ取る悪徳手口「アドフラウド」などの実態に迫る。ネット広告の不正防止に取り組む広告主や配信事業者も紹介。(NHK出版新書 864円)

◆井上ひさしベスト・エッセイ 井上ひさし著 井上ユリ編
 「言葉の魔術師」と言われた作家の文庫オリジナルエッセー集。初めて小遣いで買った宮沢賢治の「どんぐりと山猫」に心を奪われた思い出、銭湯で会った暴力団の組長と裸同士で話をつけた母親のこと、NHK局内で暮らした1カ月など、著者の妻が精選したユーモアあふれる65編を収録した。(ちくま文庫 1026円)

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