社説

北大の学長不在 事態の収拾が急がれる

07/15 05:00

 いったい何があったのか。

 北大の学長選考会議が、名和豊春学長による北大職員へのパワーハラスメントを認定したとして、文部科学相に解任を申し出た。

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 名和氏は職員との意思疎通が不十分だったとしつつ、「大声で叱責(しっせき)する、机を何度も叩(たた)くなど、認定されたような事実は覚えがない」とパワハラ行為を否定した。

 文科省は名和氏の聴聞などを行い、慎重に判断するという。

 北大では名和氏が昨年12月に体調不良で休職して以降、学長不在が続く。もしも国立大学長の解任となれば極めて異例の事態だ。

 間もなくオープンキャンパスの時期だが、これでは受験生も安心できまい。学生のためにも、大学は説明責任を果たしてほしい。

 選考会議は職員の訴えを受けて調査委員会を設置し、弁護士らが聞き取りを行った。これを基にパワハラを認定し、学長続投は適当でないと判断したという。

 一方、名和氏は、業務上必要な注意や叱責の範囲だったと反論するとともに、調査委の聴取がなかったなどと調査手法を批判した。

 また、復職を申し出ても選考会議に拒まれてきたとも説明した。

 主張が食い違う中、北大も文科省も申出書の詳細を明らかにしていない。教職員組合にさえ説明がないのは理解しがたい。

 研究を巡るアカデミックハラスメントやセクハラなど、大学のハラスメントへの関心は高い。

 また、先の国会では女性活躍・ハラスメント規制法が成立し、職場にパワハラ防止対策が義務付けられることになった。

 北大や文科省には、公正な調査と的確な対応が求められよう。

 文科省の結論が出るには1カ月はかかるとみられ、学長不在のさらなる長期化は避けられまい。

 2004年度の国立大法人化以降、競争的資金の比重が高まり、運営費交付金は約1割削減された上、本年度から研究と教育の評価に基づく傾斜配分となった。

 北大も生き残りを懸けた経営改革を迫られている。

 名和氏は人件費の大幅削減を巡る16年の学長選で、削減幅の圧縮を掲げて当選した。就任後は民間経験を生かし、外部資金の調達や民間との共同研究を進めてきた。

 現在、副学長が職務代理を務めているが、学長主導のプロジェクトは凍結状態とされる。

 この大切な時期に、かじを取るべき学長の不在が続くことは北大にとって大きなマイナスだ。早期の事態収拾が求められる。

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