社説

道議会新庁舎 完全禁煙へ自ら決断を

07/14 05:00

 来年1月に完成予定の新しい道議会庁舎で完全禁煙を実現できるか見通しが立たない状況が続いている。

 最大会派の自民党・道民会議が新庁舎の会派控室への喫煙所設置を決めたからだ。

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 「議員特権」との批判を受け、所属議員の意見を再度聴取することになったものの、設置方針を撤回するには至っていない。

 受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が1日に一部施行され、役所や学校、病院は敷地内が原則禁煙となる中、喫煙所設置は時代錯誤と言うほかない。

 道議会は議決機関であり、法律の規制対象の行政機関には当たらないとの理屈だが、一般の傍聴者や道職員も訪れる庁舎は公共施設に変わりはない。

 北海道は肺がん死亡率が全国一高く、たばこの害を防ぐ対策は緊急の課題といえる。範を垂れるべき道議が自ら決断し、完全禁煙を実践する責務がある。

 新庁舎の喫煙所を巡っては、第2会派の民主・道民連合が設置を求めていた当初方針を転換し、会派控室に造らないことを決めた。

 札幌の市民団体による公開質問状や、日本禁煙学会道支部長の住民監査請求など、新庁舎の全面禁煙を求める動きが広がり、無視できなくなったのだろう。

 北海道結志会、公明党、共産党の3会派は敷地内の全面禁煙を主張しており、自民党会派が喫煙所設置を撤回しなければ、同会派だけが喫煙を続けることになる。

 道議会は全5会派が一致して受動喫煙防止条例の制定を目指したが、自民党会派内の合意形成に手間取って見送った経緯がある。

 喫煙者の道議が庁舎内で喫煙できなくなるなどの条例案に難色を示したことが背景にあり、今回の喫煙所設置問題でも同様の構図が見て取れる。

 一会派のこととはいえ、喫煙を認めると、道議会全体の受動喫煙防止に向けた姿勢が疑問視されかねない。

 道内では、行政機関に該当しないものの、札幌高裁などの裁判所施設全34カ所が法施行に合わせて全面禁煙になった。

 同じ議会でも、青森県議会が議会棟内の議員用喫煙室を廃止し、秋田県議会も喫煙スペース2カ所を閉鎖している。

 法律に違反しないから良いという認識は甘すぎる。道議会も全会派で喫煙所設置の是非をあらためて協議し、議員の総意として判断を示すべきだ。

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