児童虐待

児童虐待とDV 一体支援の仕組み早く

07/08 05:00

 深刻な児童虐待をいち早く発見するため、配偶者間暴力との一体的な対応を急ぐ必要がある。

 千葉県野田市の小4女児虐待をはじめ、痛ましい事件の背景にドメスティックバイオレンス(DV)が潜む例は珍しくない。

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 DVは暴力で相手を支配する行為であり、暴力の矛先が子どもに向かう危険性は常にある。

 にもかかわらずDVは内閣府、虐待は厚生労働省、犯罪になれば警察庁などと所管が分かれ、窓口の情報共有も進んでいない。

 改正児童虐待防止法には、DV対応機関との連携強化が明記された。被害者の保護にとどまらず、加害者への働きかけを含め、家庭内の暴力への対策を見直したい。

 父親が傷害致死罪などで起訴された野田市の事件で、千葉地裁は傷害ほう助罪に問われた母親に、懲役2年6カ月、保護観察付き執行猶予5年の判決を言い渡した。

 量刑を求刑より重くするとともに5年間の保護観察としたのは、悪質性を重く見た上で、DVの支配構造を踏まえ、母親の更生に配慮したものと言えよう。

 暴力に支配された家庭では、加害者が虐待を行うだけでなく、DV被害者や他の家族が保身のため虐待に加担することもある。

 親の暴力を目撃する「面前DV」も、心身に重大なダメージを与える心理的虐待だ。その数は、昨年、警察が児童相談所に通告した案件の半分近い3万件に上る。

 密室の支配構造を察知するのは難しい。DVと虐待は併存するとの観点を共有し、多くの目で見守る必要がある。

 DV被害者は孤立させられ、子どもに暴力が及んでも助けを求める気力を奪われがちだ。関係機関は介入をためらってはならない。

 野田市の事件では、一家が住んでいた沖縄県糸満市の把握したDVの情報が転居先に伝わらず、児相などの対応に生かせなかった。

 家庭内の暴力に関する窓口の一本化も含め、部署間の連携を確実にする策を講じてもらいたい。

 政府は、DV被害者やその子どもを一時保護する民間シェルターへの支援を拡充する方針だ。

 現状では被害者が暴力から逃げるしかないが、改正児童虐待防止法は加害者への医学的、心理学的な指導を都道府県に求めている。

 暴力さえなくなれば、家族で暮らしたいという被害者もいる。専門性の高い民間団体とも連携し、虐待が犯罪に発展する前に、加害者が家族との関わり方を学び直せる仕組みを整えていくべきだ。

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