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【回答者 高野俊太郎弁護士】SNSに無断投稿

07/07 05:00
高野俊太郎弁護士
高野俊太郎弁護士

質問 飲食店経営者です。当店は写真撮影を禁止しているのですが、ある客がこっそり写真を撮って会員制交流サイト(SNS)に投稿してしまいました。そのせいで一見のお客さんがたくさん来るようになり、嫌がった常連さんが来なくなってしまいました。無断撮影した客に損害賠償請求することはできますか。

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回答 一般的に、他人に対して損害賠償請求するには、相手方が契約違反行為等を行い、それによって、損害が発生したと言えなければなりません。

 まず、その客が契約違反行為等をしたと言えるかを考えますと、通常、飲食店において、飲食店側は作った料理を提供し、客は代金を支払うというのが契約の内容であり、写真撮影をしないということまでは含まれていません。客が写真を撮影したからといって、ただちに賠償請求できるわけではありません。

 もっとも、その施設をどのように管理するのかについては、飲食店側が自由に設定することができます(施設管理権といいます)ので、写真撮影を禁止することは、当然可能です。

 ただし、写真撮影を行ったことが契約違反行為等になるためには、客側に撮影禁止が明確に示され、それを客側が了承して飲食店を利用していることが前提となります。

 次に、写真撮影をされ、その写真がSNSに投稿されたことにより、飲食店側に「損害」が生じたといえることが必要です。今回の場合、客がこっそり写真を撮ったというのですから、写真撮影が禁止されていることは明示されていたのだとは思いますが、賠償自体は難しいと思われます。

 常連さんが定期的に来店してくれることによる利益がなくなったことを損害とされるのだと思いますが、常連さんが、今後も定期的かつ来店してくれたかどうかは分からないからです。また、常連さんの足は遠のいたものの、それに代わる客が来るようになり、飲食店側の売り上げは低下していないようでもあり、損害を発生したことの証明にはかなりの困難が予想されそうです。

 どのような客を中心にするのかは、飲食店側が自由に設定できますので、例えば店舗を会員制にするなどして、そのことを足が遠のいた常連さんにお伝えするというのはいかがでしょうか。(たかの・しゅんたろう)

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