新北海道ひと紀行

第21部 札幌・若き起業家たち(1) 「楽しいこと」を仕事に

07/06 05:00
河嶋峻さん 自社のゲストハウス「雪結(ゆゆ)」で。「これからも人との関わりを大事に仕事をしたい」(中村祐子撮影)
河嶋峻さん 自社のゲストハウス「雪結(ゆゆ)」で。「これからも人との関わりを大事に仕事をしたい」(中村祐子撮影)
  • 河嶋峻さん 自社のゲストハウス「雪結(ゆゆ)」で。「これからも人との関わりを大事に仕事をしたい」(中村祐子撮影)
  • 「雪結」の一室で、「木の素材で温かい雰囲気を意識して作りました」と語る河嶋峻さん

 若い世代が求める「働くことの価値観」が変化しつつある。自分らしさを志の糧とし、斬新な発想で事業を起こして道を切り開く若者たち。何が彼らを突き動かすのか。第21部は4回。札幌の若手起業家を紹介する。

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 「この3人で何かできたら、絶対、面白いと思った」。札幌市内でゲストハウスを営む合同会社「ステイリンク」の共同代表河嶋峻さん(27)は、今も言い切る。国際基督教大(東京)の3年生だった冬、高校時代の同級生の柴田涼平さん(27)と大学の同級生の木村高志さん(28)の3人で起業を決意した。

 ゲストハウスの壁には、3人も写ったオープン前の写真を飾る。築約40年のアパートを自分たちで改築した。手作りの温かい雰囲気のリビングでは、スタッフや宿泊する外国人観光客がくつろぐ。仲間、絆、人との関わり―。「お金になりそうだから、という入り方じゃなかったから続けて
こられたんだと思う」

■交流できる場を

 根室管内別海町出身。就職活動には違和感があった。個性豊かだった同級生がみんな同じ黒っぽいスーツに身を包み始める。土日の休みを楽しみに、なんとなく日々を過ごす社会人生活は嫌だった。「一生の大半の時間は働いている。人生と仕事の価値観はリンクしていないと」

 最初は壁にぶつかり続けた。就職活動を一切やめ、ITでの起業を模索したが、うまくいかない。公務員の両親も猛反対した。心がなえ、企業に就職を志望するエントリーシートを書いて送信ボタンを押す直前までいった。だが、周りから「起業なんて無理」「とりあえず3年働いてから」と言われると、かえって反骨精神がわき上がった。

 「自分たちでもできることは何だろう」。故郷の別海町と東京の若者の交流イベントを同町で成功させ「みんなが交われる場が楽しい」と気づいた。東南アジアを旅した時、現地の若者が運営する格安の宿に泊まり、交流したことを思い出した。「これだ」。事業資金は、卒業まで必死にアルバイトをし、3人で計300万円をためた。

 最初のゲストハウス「waya(わや)」(札幌市豊平区)を開業したのは卒業半年後の2014年10月。折しも道内への外国人観光客の急増と重なった。事業は拡大し、今は小樽や札幌で5施設(宿泊定員110人)を運営。施設内での学童保育も始めた。客は外国人と日本人が半々で異文化交流の場としても人気だ。学童保育では外国人客が講師として英語の宿題を手伝うことも。

 「好きな人たちと、やりたいことをしたい。満足せず、挑戦し続けたい」。ギラギラ感はなく、あくまで自然体で語る。

 合同会社ステイリンクは(電)011・850・9482。会社詳細はホームページ(HP)https://staylink.co.jp/で。

 各宿の宿泊料金は一泊2800円~3500円。予約は各宿HPで、24時間受け付ける。各宿のHPアドレスは次の通り。

 札幌市豊平区のゲストハウスwaya&annexは、https://www.waya-gh.com/

 札幌中央区のゲストハウス「雪結(ゆゆ)」は、http://yuyu-gh.com/

 小樽市のゲストハウスOTARU TAP ROOMは、https://otaru-taproom.com/

 ゲストハウス「雪結(ゆゆ)」を活用した学童保育は、「アドベンチャークラブ札幌」、http://adventureclubsapporo.com/home/

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