記者の視点

公共施設の道議会庁舎 禁煙 議員自ら判断を 報道センター・竹中達哉

06/16 10:35
建設中の新しい道議会庁舎。これまでと同様、庁舎内に喫煙所を設けようとする動きがある
建設中の新しい道議会庁舎。これまでと同様、庁舎内に喫煙所を設けようとする動きがある
  • 建設中の新しい道議会庁舎。これまでと同様、庁舎内に喫煙所を設けようとする動きがある
  • 公共施設の道議会庁舎 禁煙 議員自ら判断を 報道センター・竹中達哉
  • 竹中達哉

 改正健康増進法で行政機関や学校の敷地内が7月から禁煙となる中、道議会庁舎(札幌市中央区)は「議決機関」であり、行政機関ではないとして規制対象から外れる。現状でも一部議員が全会派で決めたルールを守らず、分煙すら徹底されていないのが実態で、来年完成の新しい庁舎にも喫煙所を設置する動きがある。傍聴する道民や道職員が使う公共施設であり、たばこの害を考えれば議会自らが判断し、禁煙に踏み切るべきだ。

[PR]

 「あと何本、たばこの記事を出すんだ」。道議会での喫煙に関する記事を書くと、ある道議からこんな反応があった。手には火のついたたばこ。決められた議会庁舎内の喫煙所ではない。議員以外の出入りも多い会派の控室での話だ。

 道の施設は大半が禁煙で、道庁本庁舎は2008年から建物内を禁煙とした。道議会の各会派も11年に「庁舎内の全面禁煙に向け、当面分煙する」と合意し、喫煙所を3カ所に限定したが、一部議員が会派の控室などで吸い始め、黙認されている。

 かつて道議会の全会派で受動喫煙防止条例の制定を目指しながら、愛煙家の道議らが反発し、断念した経緯がある。18年7月には「受動喫煙ゼロの実現を目指す決議」を可決したが、議会庁舎内の喫煙状況を見るにつけ、自ら決議を空文化させていると言わざるを得ない。

 建設中の新しい道議会庁舎は来年1月に完成し、6月ごろに利用が始まる。最大会派の自民党・道民会議(53人)と第2会派の民主・道民連合(27人)が、会派控室に喫煙所を設けるよう求め、今月中にも設置を決めたい意向だ。

 改正法では来年4月から、オフィスビルなどと同様、議会庁舎内も原則禁煙になる。喫煙所を設置するには、国の基準に基づき、排気や分煙対策を徹底した「喫煙専用室」とする必要があり、コストがかさむ。

 北海道結志会(9人)、公明党(8人)、共産党(3人)の3会派は、行政機関と同じように敷地内の全面禁煙を求めている。自民会派内にも「特別扱いはやめるべきだ」(ベテラン道議)との声がある。東北大の黒沢一教授(産業医学)は「受動喫煙で職員が健康を害し、道民の財産である建物を汚す可能性もある。禁煙にしないのは議員の認識不足だ」と疑問視する。

 民間では執務時間中の完全禁煙や飲み会での喫煙自粛など、受動喫煙対策を進める企業が増えている。公費による海外視察や使途のチェックが緩い不明朗な政務活動費など、身内に甘い「議員特権」が指摘される道議会で、喫煙はその最たるものだ。愛煙家の一部議員のために、新庁舎に税金をかけてわざわざ喫煙所を設けるのか。道議会の良識的な判断に期待したい。

ページの先頭へ戻る