秋元克広

広がる宿泊税 道民の理解が不可欠だ

06/06 05:05

 札幌市の秋元克広市長が、市内のホテルや旅館の利用者から徴収する宿泊税の導入を検討する考えを明らかにした。

 道内では、スキーリゾートのニセコ地区を擁する後志管内倶知安町が11月から宿泊税の徴収を始めるほか、道も類似の観光税を検討している。

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 いずれも、来道観光客の増加を新たな財源の確保につなげ、観光振興に投資するのが狙いだ。

 ただし、札幌市も道も、宿泊客の約4割を道民が占めている。道民を納得させられなければ、道外客の理解も得られまい。

 税金の使い道を具体的に示し、新たに税を課す意義を丁寧に説明しなければならない。

 道内の観光客は2017年度で5610万人に上った。外国人客は279万人となり、6年連続で過去最高を更新した。

 札幌は道内観光の拠点であり、案内板の多言語化や公衆無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」の整備などを迫られている。

 札幌市の観光関連予算はこの4年で1・5倍の20億円超まで増えたものの、高度経済成長期に整備された都市基盤の更新費が膨らむ中、これ以上の増額は難しい。財政難の道も事情は同じだ。

 だからといって、取りやすいところから取るという安易な発想では、負担増となる宿泊客の反発は避けられない。

 宿泊施設からも、客足に影響するのではないかと懸念する声が聞こえる。

 税金分を余計に払ってでも、道内を観光したくなるような環境整備が求められる。

 駅や空港から観光地を巡るための2次交通の充実や、観光業界で働く人材の育成といった施策に、税金が生かされることがはっきりと分かるようにすべきだ。

 道と札幌市による税徴収が実現すると、二重課税になる。税法上は問題がないとされるが、支払う側は抵抗を感じるだろう。

 札幌市は、福岡県と福岡市が宿泊税200円の場合に県が50円、市が150円を得ることで合意したのを参考に、道と調整を進めるという。

 札幌市と道は、負担を過重にしない軽減策や、事業者の煩雑な手間を避ける徴収方法を、検討段階から話し合う必要がある。

 宿泊税については後志管内ニセコ町や富良野市なども導入を検討している。

 地域ごとに不公平が生じない仕組みでなければならない。

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