新北海道ひと紀行

第19部 札幌・異国に根ざして(1) 仲間後押し 経験を糧に

05/11 05:00
マルコ・テコブさん 4月末、歓迎パーティーで留学生らと交流し、暮らしぶりなどを気遣った(国政崇撮影)
マルコ・テコブさん 4月末、歓迎パーティーで留学生らと交流し、暮らしぶりなどを気遣った(国政崇撮影)

 道都・札幌には今年4月現在、約1万3400人の外国人が住む。第19部は4回。故郷を離れ、異国の地・札幌に根ざして頑張る外国人を紹介する。

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 「元気かい。困りごとがあったら相談して」―。4月末、札幌市北区民センターで開かれたアフリカ人留学生の歓迎パーティー。アフリカ中西部カメルーン出身のマルコ・テコブさん(44)は約30人の出席者一人一人と握手し、言葉をかけた。主催した「北海道アフリカンスピリッツ(HAS)」代表だ。「北海道はアフリカとは気候も文化も違って戸惑うことも多い。私もそうだった」。異国に来た留学生の不安な気持ちが分かるからこそ、気配りを忘れない。

 カメルーンで電気技師をしつつ、災害を調査する非政府組織(NGO)の一員だった2005年、神戸で開かれた阪神大震災10年の関連シンポジウムに参加するため初来日。震災から着実に復興を進める姿に驚かされた。新幹線に乗り、整然としたきれいな街並みにひかれた。自国に「災害復興や街づくりのノウハウを伝えなければ」と痛感。「日本を詳しく知りたくなった」

 同年中に再来日し、関東で自動車関連の輸出業者に勤務後、先に来日し札幌に住んでいた親戚を訪問。北国の美しさに打たれ、見たこともない雪の中での暮らしに憧れて移住を決めた。

■留学生に気遣い

 札幌で自動車輸出業を営む傍ら、14年にアフリカ人仲間らでHASを発足。留学生の生活相談を受け、バーベキューや旅行などを企画し友人をつくる機会を提供した。また、イベントで太鼓などアフリカの伝統楽器を紹介し、故郷の鉱業や農業、都市の姿などを見せるポスターを作って展示するなどしている。

 来日当初、部屋を借りる方法も家具を買う場所も分からなかった。自治体の外国人支援窓口は知っていたが「海外から来ると利用方法もよく分からず、自然と足が遠のく」。自身の経験が留学生支援につながった。

 日本人に根強い「アフリカは未発達」という偏見も変えたい。「日本のテレビに映るアフリカはいつもサバンナ。野生動物ばかりだと思われても仕方ないが、僕が初めてゾウとライオンを見たのは上野動物園。アフリカにも道路もあれば都会もある。HASの活動で日本でのアフリカのイメージを変えたい」

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