社説

北朝鮮情勢 非核化の履行忘れるな

04/21 05:05

 北朝鮮の非核化を話し合った2度目の米朝首脳会談から、間もなく2カ月になる。

 トランプ米大統領、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長とも3度目の首脳会談の可能性に言及するものの、展望は開けていない。

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 それどころか、対話継続に逆行するような、核開発に絡む北朝鮮の不穏な動きが伝えられる。

 金氏は今週、初めてロシアを訪れ、プーチン大統領と会談する。ロシアを後ろ盾とし、米国をけん制するのが狙いとみられる。

 交渉を有利に進めるために挑発を繰り返し、緊張を高める。かつての常とう手段と重なる。

 米朝首脳会談で「完全な非核化」を約束したのは金氏自身だ。非核化が進まなければ制裁緩和はおろか、北朝鮮の経済発展は望めないことを認識すべきだ。

 金氏は先日、「新型戦術誘導兵器」の発射実験を視察した。兵器実験の視察は5カ月ぶりである。

 その際、金氏は「意を決すれば、作れない兵器などない」と語ったという。とても容認できない発言である。

 これとは別に米国のシンクタンクは、寧辺(ニョンビョン)の核施設で核物質の搬送が行われた可能性があると指摘する。核開発につながる動きなのか、慎重に見極める必要がある。

 そもそも米朝の主張の隔たりは大きいままだ。

 米国は、北朝鮮に全ての核関連施設の廃棄を約束させた上で、制裁解除を一括合意する「ビッグディール(大きな取引)」を目指す。

 これに対して、北朝鮮は段階的に非核化し、それに応じた制裁緩和を求めている。

 3回目の首脳会談が実現するかどうかは、両者の溝がどれだけ埋まるかにかかっている。

 しかし、北朝鮮が挑発的な行動を重ねているようでは、それもおぼつかない。ポンペオ米国務長官以外の人との交渉を要求するのも一方的だと言わざるを得ない。

 ただ、北朝鮮が、金氏とトランプ氏の関係が良好であると強調するのは、米国との対話に期待をつないでいることの表れだろう。

 米国も北朝鮮の狙いを分析し、交渉のテーブルに着かせるよう知恵を絞るべきだ。

 気がかりなのは、日米韓の足並みの乱れである。韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は段階的な制裁緩和に理解を示し、金氏との南北首脳会談の開催に意欲を見せる。

 北朝鮮の身勝手な行動を許さぬよう、いま一度、連携の重要性を確認しなければならない。

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