高齢社会

高齢者、スーパーで健康に 札幌・もみじ台団地ホクノーステーション 1日100人が利用 体力測定、体操、ヨガ…全国から視察

04/10 16:00
測定器に息を吹き込み、肺年齢を調べるホクノー健康ステーション来場者
測定器に息を吹き込み、肺年齢を調べるホクノー健康ステーション来場者
  • 測定器に息を吹き込み、肺年齢を調べるホクノー健康ステーション来場者
  • 高齢者、スーパーで健康に 札幌・もみじ台団地ホクノーステーション 1日100人が利用 体力測定、体操、ヨガ…全国から視察

 高齢化率が46・6%と札幌市内で最も高いもみじ台団地(厚別区)にあるホクノースーパー中央店が、高齢者が無料で健康相談や体力測定、体操などができる「ホクノー健康ステーション」を開設し、本年度で3年目を迎えた。住民が元気に買い物に来ることが売り上げ維持につながると考えたところ、スーパーが健康づくりの場を設けるのは全国的にも珍しいと注目を集め、高齢化社会の先進事例として全国から視察が相次いでいる。

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 「もっと最後まで息を吐いてー」。「はー」。同店2階の一角で、近所に住む志賀勝男さん(81)は、指導員の合図に合わせて肺年齢測定器に息を吹き込んだ。「年齢マイナス5歳」の結果に「これはうれしい」と笑顔を見せた。ステーションにはよく通う。「健康に関心がある。ここは皆が優しくしてくれるので安心感もある」と話す。

 ホクノーの野地秀一社長(50)の発案で始めたステーションは、月―金の午前10時~午後3時。地域住民のボランティアが受け付けなどを担う。週2回ほど、保健師と看護師が訪問し、気軽に健康相談を受けられるほか、体を動かす太極拳や体操、ヨガ教室を1日4コマ行っている。

 酒とたばこはもちろん禁止だが飲食は自由。2018年からマージャン台も2卓置かれ、いつも交代待ちが出る人気だ。

 常連の川並晴男さん(69)は「自分を含め、団地は独り暮らしが増えた。ここでの会話が楽しいんだ」と話す。

 経済産業省は、スーパーが自ら健康づくりや地域交流の場をつくるのは全国的に珍しいとして、健康寿命延伸産業創出推進事業に採択。17、18年度の運営費計4千万円のうち約6割を補助した。

 ステーションを担当する同店の小熊祐介さん(46)は「利益を度外視した取り組みだったが、人の流れが変わった」と話す。閑散としていた2階のゲームセンターの大半をステーションに改装。1日に約100人が利用するまでになった。

 同団地は道内各地の炭鉱閉山に伴い札幌に転居する人々の受け入れ先として札幌市が1971~86年に造った。人口は85年の約2万6千人をピークに現在は1万5千人を割った。周辺の小売店が苦戦する中、中央店は売上高がステーション開設後に微増に転じた。

 高齢化率の高さを逆手にとった集客法として注目を集め、東京都や富山市、日高管内平取町など、道内外から十数件の視察が訪れた。

 野地社長は「ここは高齢化の先進地で日本の未来でもある。介護予防に力を入れ、健康寿命を延ばすことは、消費の維持につながるし、皆ハッピーでしょ」と継続の意欲を示した。(内山岳志)

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