就活・就職

道内100社採用計画調査 3割「学生地元志向強い」 札幌勤務に希望集中も

04/14 05:00
道内100社採用計画調査 3割「学生地元志向強い」 札幌勤務に希望集中も
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 北海道新聞が道内主要企業100社に行った2020年春の採用計画アンケートで、道内学生の地元志向について尋ねたところ、「強まっている」が29社で、「弱まっている」の12社を上回った。自由回答では、札幌勤務に希望が集まる実態に言及する回答が多かった。一方、インターンシップ(就業体験)を実施しているとの回答は83社。採用に欠かせない活動と位置づける企業が多くなっている。

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■就業体験8割実施

 「道内学生は本州の学生よりも元々地元志向が強い」(ナラサキ産業)というのが、多くの企業の共通認識。ニトリは「家族も本人も道内から出ないでほしい、出たくない、という安定志向の学生が多い」と分析する。鶴雅リゾートは「実家から通えることを希望する学生が増えており、実家に近い配属を考える」と配慮。カラカミ観光は、道内エリア勤務限定でキャリアアップする「エリア総合職」を設けた。

 中でも札幌の人気は際立つ。医薬品卸のモロオは「転勤に関する質問が年々多くなっており、特に札幌志向が強い」とみる。コープさっぽろは「『道内で』というより『札幌で働きたい』という思いを強く感じる」。帯広を拠点に札幌などでもスーパーを展開するダイイチは「札幌の学生は札幌以外の就業地を拒む傾向が強い。地元志向というより、札幌圏一極集中ではないか」と指摘する。

 一方、地元志向が「弱まっている」とした12社の回答では、「売り手市場により学生が好待遇を求め、本州へ目を向ける機会が増えている」(道漁連)など道外勢の攻勢を挙げる企業が目立った。「働き方改革が進んでいる本州企業への流出が増えている。そのため当社でも対応を進めている」(マテック)とする回答もあり、福利厚生を含めた道外企業との格差是正に動く企業も出ている。

 「道外から進学した理系の学生では、道内志向が弱くなっていると感じる。道内基盤の会社として丁寧な説明を進めているが、厳しい」(製造・エネルギー)と現状を嘆く声もあった。

 「優秀な人材と早期にコンタクトが取れる」(北の達人コーポレーション)インターンシップは、大学3年時の夏・冬に行う企業が増加している。野口観光グループは「面接解禁前に1泊でインターンシップを行っている。直接的な選考につなげたい」という。

 サービス・情報通信関連は、15社全社が実施。システム開発演習や新規事業の立案を体験するグループワークなど幅広い内容で、1~10日程度が中心だ。中には「学生を担当する若手社員の成長も狙い、半年以上の長期インターンシップを行っている」(フュージョン)企業もある。

 流通・卸分野では25社中24社が手掛ける。ハミューレは、店長の仕事などをボードゲーム形式で体験できる取り組みを実施。イオン北海道は店舗での商品陳列やレジ研修などを行っている。入社後のミスマッチを避けるのも狙いの一つで、札幌臨床検査センターは「血液や病理組織の検体を扱うことに抵抗があり、数日で退職した新入社員もいるため、病理検査などの実習を行っている」という。(瓦木毅彦)

■経団連の就活ルール終了へ 4割「日程早まる」

 経団連が就職活動の日程を決めるのは、20年春の新卒採用が最後となる。会社説明会の3月解禁、6月選考解禁、10月内定解禁の日程は21年も変わらないが、政府が就活ルールを主導していくことになる。事実上のスケジュールがどう変わるかアンケートで聞いたところ、「早まる」が41社、「変わらない」が54社、「遅くなる」は1社だった。

 「早まる」理由で多かったのは「ルールの形骸化が予測され、さらなる早期化が進む」(サッポロドラッグストアー)、「ここ数年日程は早まってきており、その流れは止まらない」(北日本精機)とする回答。医療機器卸のムトウは「資金や人材が潤沢な大手を中心に早まり、余力のない企業も早期選考せざるを得ないが確実に不利。意識が高く早期化に対応できる学生とそうでない学生の二極化が進む」と予測する。

 アレフは「学生の内定辞退者が増え、企業の採用活動期間が長期化する」と懸念。「選考時期が早まっていき最終的には通年採用を強いられるのではないか。そうなると企業は採用の負担が重くなる」(建設・不動産)との声もあった。

 カラカミ観光は「学生も長期間就活せざるを得なくなり、結果的に勉強や研究に費やす時間が減るのでは」と学生の負担を危惧。AIRDO(エア・ドゥ)は20年夏に東京五輪が開かれることから「会社説明会の会場が押さえづらくなるので、さらなる早期化を図る企業が増える」と見る。

 「変わらない」とする企業の大半は「現在のルールは破っても罰則がなく、政府も新たに設けない方針のため」(北海道エナジティック)。日本旅行北海道は「政府主導であっても、罰則規定がないなら徐々に早まる傾向は変わらない」とした上で「インターンシップが企業によっては実質的な選考につながっていることを考えると、今まで同様、大学3年の夏から4年の春にかけての長期活動になるのでは」と回答した。(瓦木毅彦)

【道内主要100社の2020年春採用計画】PDFが開きます

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