社説

’19道知事選 IR誘致 賛否を明確にすべきだ

03/27 05:05

 政府はきのう、カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)の要件を定めたIR整備法施行令を閣議決定した。

 このIRを道内に誘致するかどうかが、道知事選の大きな争点になっている。

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 IRは、外国人観光客を取り込み、経済活性化につながるとの期待がある一方で、賭博を地域振興に利用することへの疑念が払拭(ふっしょく)されていない。ギャンブル依存症の拡大を心配する声も根強い。

 数々の疑問点を放置したままでは、将来に禍根を残す。

 知事選に立候補した2人の公約を見る限り、姿勢の違いは浮かぶものの、賛否を明確にしているとまでは言い難い。

 両候補は選挙戦を通じ、旗幟(きし)を鮮明にしてもらいたい。

 石川知裕氏(45)は、インタビューには「カジノ反対で構わない」と答えている。ただ公約は「カジノより北海道らしい文化と経済で世界に躍進」とし、「反対」や「誘致しない」との表現はない。

 鈴木直道氏(38)は公約で「道民目線を大切にしつつ早期に判断する」と記す。あいまいな表現で賛否には踏み込まず、誘致に前向きな道の素案などを判断のベースとする考えを示している。

 このままでは有権者が判断に迷うことがあろう。

 閣議決定された施行令は、IR内に設けるホテルの客室総面積を10万平方メートル以上と規定する。

 2千室以上必要な計算で、国内にある既存の大型宿泊施設の規模をはるかに超える。

 道内でそれだけの需要を見込めるのか。疑問を禁じ得ない。

 そもそも、カジノで外国人を呼び込むという政府の説明が当てにならない。道内で誘致に手を挙げる3地域を対象に道が行った試算では、来場者の8~9割が日本人で、その大半が道民だ。

 これでは思うような経済効果は上げられず、道民に依存症患者が増える恐れがある。

 その依存症対策も、国が定めた入場規制は最大72時間居続けることが可能で、入り浸りを許容するようなものだ。効果は疑わしい。

 北海道新聞の世論調査では、IRがどんな施設か知らない人が6割を超え、道民の理解は深まっていない。

 道民が知らないうちに物事が進むようなことがあってはならない。両候補は、IR誘致の是非と真正面から向き合い、有権者に答えを明示する必要がある。

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