北海道

里塚復興「忘れられたのか」 胆振東部地震被災者に焦り 札幌市長選、両候補公約に具体策なく

03/25 17:15 更新
札幌市清田区の里塚地区で仮復旧された自宅前の道路を見つめる近藤脩さん
札幌市清田区の里塚地区で仮復旧された自宅前の道路を見つめる近藤脩さん

 胆振東部地震に伴う液状化で深刻な被害を受けた札幌市清田区の里塚地区で、復興への道筋が見えず、被災した有権者が焦りの色を濃くしている。24日告示された市長選でも両候補者の公約に具体策は盛り込まれておらず、「忘れられたのか」と不信感を募らす。

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■「道1本」隔てて

 「市の地盤改良は目の前の市道まで。私の家には何の対策もない」。自宅が大規模半壊した無職の近藤脩(おさむ)さん(67)は、落胆を隠さない。市の計画で地盤改良の対象外とされたからだ。

 地震による建物被害は市内全体で約5800棟。4割近い2220棟が清田区に集中し、里塚地区だけでも533棟を数える。

 市は新年度予算に総額約50億円を計上し、液状化による土砂の流動化を防ぐため、薬液を注入する地盤改良工事に着手する。着工まで約3年かかった熊本地震と比べても異例の早さだ。

 しかし、対象範囲は地震で土砂流出が最も激しかった約4ヘクタール(約130世帯)に限られる。近藤さん宅に隣接する市道に沿って大量の土砂があふれ出た。市道に面した庭は物置が壊れ地割れもしたが、10メートル離れた住宅は直接の被害はなかったと判断された。道路に面した周囲の多くの住宅は「全壊」と判定される中、「目の前で線引きされた」と困惑する。

 自力で地盤改良工事を行う場合、市独自の「宅地復旧支援金」を活用すれば、最大200万円が補助されるが、この場合は自己資金も250万円以上必要。現段階で、市が地盤改良工事を行うのは目の前の市道まで。「工事で周辺の地下水位が変わり、住宅部分の地盤が変化しないか」(近藤さん)と不安は尽きない。

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