社説

札幌市長選告示 道都の未来描く論戦を

03/24 05:05

 札幌市長選がきょう告示される。自民、公明、立憲民主、国民民主などの各党相乗りで再選を目指す現職の秋元克広氏(63)と、共産党などが推薦する弁護士渡辺達生氏(54)が出馬の予定だ。

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 道内の3分の1を超える195万人が暮らす札幌市も高齢化が加速し、近い将来に人口減に転じると予想されている。

 高齢化で医療や介護などにかかる経費が増え、財政を圧迫するのは必至だ。その一方で、高度経済成長期に整備された都市基盤の老朽化が進み、改修を迫られる施設も少なくない。

 市民生活に目を配りながら、まちの再開発をどう進めるか。両氏は、人口減時代を見据えた道都の未来をしっかりと語ってほしい。

 前回候補を立てて戦った自民党が今回は秋元氏を支援する。一時は無投票も取りざたされたが、渡辺氏が名乗りを上げ、選挙の論点が明確になったと言えよう。

 中でも、大きな争点に浮上しているのが、市中心部と札樽自動車道間の4キロを結ぶ「都心アクセス道路」構想である。

 秋元氏は「全道の交通ネットワークの構築に役立つ」と必要性を強調する。渡辺氏は「無駄な公共事業」と反対の立場だ。

 事業主体となる開発局は、建設費が85億~170億円と見込まれる現在の交差点改良案と、900億~1400億円の地下トンネル案、高架橋案、地下・高架の混合案を検討する。

 いずれも市の財政負担が伴い、混雑緩和や時間短縮といった便益との費用対効果について、徹底的に議論してもらいたい。

 再開発の進め方に関し、秋元氏は2030年の招致を目指す冬季五輪・パラリンピックに合わせて都市基盤の更新を図る考えだ。

 渡辺氏は、必ずしも五輪と再開発事業を連動させる必要はないとして、招致そのものに慎重な姿勢を示す。

 五輪とまちづくりの関連を、招致の是非も含め、改めて考える機会にしたい。

 胆振東部地震では、全国初の全域停電(ブラックアウト)による都市機能のまひや、液状化による建物被害を経験した。

 泊原発の再稼働を含めたエネルギーの将来像や、被災した住宅の再建策は、他の自治体にとっても重要な課題である。

 両氏は、こうした問題についても考えを明らかにし、道内の市町村をけん引するリーダーとして有権者の審判を仰ぐべきだ。

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