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苫小牧ウトナイ地区活況 宅地開発で人口増/来月中学新設 市西部は停滞、バランス課題

03/08 16:45 更新
急ピッチで建設が進むウトナイ中の新校舎=2月27日、苫小牧市ウトナイ北
急ピッチで建設が進むウトナイ中の新校舎=2月27日、苫小牧市ウトナイ北
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 【苫小牧】宅地開発により人口増が続く苫小牧市東部の町、ウトナイに4月5日、市立ウトナイ中学校が開校する。道内で人口増に伴い公立中学校が新設されるのは7年ぶり。ウトナイは札幌や新千歳空港へのアクセスが良く、土地単価の安さが若い子育て世帯を引きつけたことが背景にある。一方で苫小牧市西部の人口は減少傾向で、バランスの取れたまちづくりが課題として浮上しつつある。

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 ウトナイは、ラムサール条約登録湿地のウトナイ湖に隣接する区域。その一角で、鉄筋コンクリート造3階建て延べ床面積約5870平方メートルの中学校校舎の建設が急ピッチで進む。

 周辺は1990年代から宅地開発が進み、苫小牧市中西部や千歳市から移り住んだ子育て世帯を中心に人口が増加。元々は湿地帯で沼ノ端地区内の一区域だったが、2015年から「ウトナイ」と住居表示されるようになった。

 土地単価が市中心部より4割ほど安く、「若い世代が暮らしやすいまち」とのイメージが定着。製造業の工場などが集まる苫小牧東部(苫東)地域の企業や、臨海部のトヨタ自動車北海道の従業員が多く住む。

 市西部の人口が18年7月時点で10年前より10%減の5万3千人だったのに対し、ウトナイを含む市東部は同38%増で3万人を突破。市の人口約17万1700人の2割を占める。中でもウトナイ中の学区の人口は今年1月時点で約9400人に膨らんでいる。

 新年度からウトナイ中に通うのは368人で1学年4学級。隣町の市立沼ノ端中(532人)の在校生のうち237人が移り、ウトナイ小を今春卒業する児童も入学する。ウトナイ中の生徒会長となる沼ノ端中2年の加藤雄大さん(14)は「級友と離れるのは寂しいが、新設校の1期生として皆が笑顔で学校生活を送れるようにしたい」と話す。

 沼ノ端中は既存校舎が手狭となり、2006年度から臨時増築した2階建てプレハブ校舎で授業を継続。生徒や地域住民が教育環境の改善を要望していた。苫小牧市の和野幸夫教育長は「人口推移の見通しなどを検討し、中学新設の決断には時間がかかった」と話す。

 新たな校舎は昨年6月に着工し、完成は今年3月中旬の予定だったが、昨年9月の胆振東部地震で施工業者が不足し、当初より1週間遅れて3月29日となる見込み。市教委は「開校までギリギリ。急ピッチで準備を進めたい」と気をもむ。

 住宅用地を分譲する苫小牧港開発(苫小牧)によると、ウトナイでの宅地の売れ行きは好調。さらに宅地開発できる土地もある。同社不動産部の千葉一仁営業担当部長は「道央道のインターチェンジが近く道央圏へのアクセスも良い。子育て世代を中心に高い宅地需要は続いている」という。

 地元経済界が市東部の発展に期待を込める一方、市西部では高齢化や少子化への懸念が強まっている。和野教育長は「東西の地区の人口動態は、行政によるまちづくり政策の結果でもある。教育環境に差が出ないよう、注視していかなければいけない」と話す。(蒲生美緒)

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