社説

辺野古県民投票 全域実施の意義大きい

02/02 05:00

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設について賛否を問う沖縄県民投票が今月24日、県内全域で一斉実施される見通しとなった。

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 「賛成」「反対」の2択に「どちらでもない」を加えた3択とする県条例改正案が県議会で可決され、投票の実施が危ぶまれていた5市でも市長や議会が投票関連の予算執行を決めた。

 選択肢を増やしたことで票が分散し、明確な意思表示になりづらくなるとの指摘もある。しかし、県民に等しく与えられるべき投票権が居住地によって行使できなくなることは避けるべきだった。

 宜野湾、沖縄などの5市は、投票事務に関わる予算案が議会で否決されて不参加を表明し、県内有権者の3割に当たる約36万7千人が投票できない恐れがあった。

 そのまま県民投票を実施すれば「沖縄の分断」を内外に示すことにもなりかねなかった。関係者が協議を重ねて「不平等な事態」を回避した意義は大きい。

 投票条例制定には有権者の2%以上の約2万3千人の署名が必要だが、今回はその4倍の約9万3千人に上った。全市町村で2%を超えており、県民投票は全域的な要請だったと言える。

 当初不参加を表明した5市は、移設を推進する安倍晋三政権に近い保守系の首長や議員が多い。

 投票を巡り、県政野党の自民、公明両党は「賛成」「反対」に加え、「やむを得ない」「どちらとも言えない」を加えた4択とするよう提案していた。

 米軍基地問題に翻弄(ほんろう)されてきた複雑な事情に鑑みれば、2択では示しきれない県民感情もあろう。

 ただ、自公両党には選択肢を増やすことで移設反対への投票数を少なくし、4月の衆院沖縄3区補欠選挙や、夏の参院選への影響を小さくしようとの思惑が透けた。

 条例制定の署名運動をした市民組織の元山仁士郎代表が、宜野湾市などの不参加表明に異を唱え、ハンガーストライキを始めたのをきっかけに、自公関係者への反発が拡大したのは必然だった。

 米軍基地を巡る沖縄の県民投票は、米兵の少女暴行事件を機に、基地の整理・縮小と日米地位協定見直しへの賛成が多数となった1996年以来、2度目となる。

 結果に法的拘束力はないが、当時の橋本龍太郎首相は「厳粛に受け止める」との考えを表明した。

 今回、移設工事を強行する国に対し、沖縄県民が直接示す意思に注目したい。

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