社説

辺野古基地建設 前提崩れ続行許されぬ

01/30 05:05

 米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移設を巡り、国の対応に矛盾が生じている。

 防衛省は辺野古沿岸部の埋め立て予定海域で、今春にも地盤改良工事に向けた設計変更に着手する方針を固めた。マヨネーズ状とも指摘される軟弱地盤が工区の近くに存在していることが理由だ。

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 にもかかわらず、沖縄防衛局は新たな護岸の造成を始めた。昨年末から始めた土砂投入区域とは別の場所で、軟弱地盤に近い。

 設計変更は従来の計画に不備があったことを示すものだ。工事を行う前提は崩れたと言える。

 国は基地建設をただちに中止するべきだ。

 軟弱地盤は防衛省が2014~16年に実施したボーリング調査で確認されていたことが昨年3月、情報公開請求で明らかになった。

 防衛省は追加調査を実施して年度内に結果をまとめ、県に設計変更を申請するという。承認が得られるまで、地盤に問題のない海域で埋め立てを進める方針だが、すべての工事を中止するのが筋だ。

 県はこれまで地盤改良工事や環境保全措置を再三求めてきた。昨年8月、辺野古沿岸部の埋め立て承認の要件を充足していないとして、承認を撤回した理由にも軟弱地盤の問題が含まれていた。

 しかし、防衛省はこうした声に耳を傾けてこなかった。行政不服審査法に基づく「撤回の効力停止」を申し立て、同じ政権内の石井啓一国土交通相がこれを認めて、工事は続けられている。

 設計変更を余儀なくされたことは、これまでの強引な進め方が限界に達したことを意味しよう。

 昨年11月の国と県の集中協議で、玉城デニー知事は地盤改良などが新たに必要なことから、新基地の運用まで最低13年かかり、費用も政府想定の10倍を超す2兆5500億円に上ると指摘した。

 国はこの問題についても説明する責任がある。

 安倍晋三首相は年初に「土砂投入に当たってサンゴは移している」と述べた。だが移植対象の7万4千群体の大半は実施しておらず、保全措置を急がねばならない。

 きのう、辺野古移設に関する県民投票を巡り、沖縄県議会は条例改正案を可決した。当初の「賛成」「反対」の2択に「どちらでもない」を加えた3択で実施される方向になった。

 県全体でしっかり意思表示したいとの県民の思いの表れだろう。その意義の大きさを安倍政権はかみしめるべきだ。

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