社説

沖縄知事選告示 辺野古、争点から外せぬ

09/14 05:00

 翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事の急逝に伴う県知事選がきのう告示された。

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 政権与党が推す前宜野湾市長の佐喜真淳(さきまあつし)氏と、翁長氏後継として出馬した自由党幹事長で前衆院議員の玉城デニー氏との事実上の一騎打ちとなった。

 選挙戦では、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設の是非が問われよう。

 安倍晋三政権は「辺野古移設が唯一の解決策」として、新基地建設に反対する翁長県政とこの4年間、対立してきた。

 法廷闘争を交えた政権の強硬姿勢には県外でも批判があり、選挙の行方は全国が注目する。

 国内の米軍専用施設の約70%が集中する沖縄にとって、基地問題は早急に解決すべき懸案である。

 両候補は辺野古移設にどう対処するのか、具体策を示し、真っ向から論戦してもらいたい。

 県は先月31日、辺野古沿岸部の埋め立て承認を撤回し、国は法的な対抗措置を取る方針を示している。新知事は就任後すぐに辺野古移設問題への対応が迫られよう。

 自民、公明両党などが推薦する佐喜真氏は出陣式で「対立や分断からは何も生まれない」とし、普天間飛行場の返還を実現できるのは自分だけだと訴えた。

 ただ、県内の辺野古に移設することの是非には言及しなかった。

 政権与党とのパイプを生かして経済振興に努める考えを前面に出しながら、政権が強行する辺野古移設に口を閉ざすのは「争点隠し」と見られても仕方あるまい。態度を明らかにすべきだろう。

 一方、玉城氏は第一声で「イデオロギーよりもアイデンティティーを大事にするという翁長氏の遺志を継ぎ、辺野古に新基地は造らせない」と強調した。

 ただ、承認撤回後の県の対応も含め、国会議員の経験を生かして、政権とどう向き合っていくのかについても丁寧に説明する必要がある。

 玉城氏の陣営にとっては、保守、革新の枠を超えて翁長氏を支えた「オール沖縄」体制をどう維持するかも課題だろう。

 残念なのは、一足早く告示された自民党総裁選で辺野古の問題が論議されていないことだ。

 候補の石破茂氏はかつて党幹事長として辺野古移設を進める立場にあった。首相は「沖縄に寄り添う」と言い続けている。

 ならば、米軍基地問題の解決をどう図っていくのか、対米外交の姿勢とともに、しっかりと提示する責任がある。

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