北海道

具材そろわず商品出せない 弁当工場 コンビニ規格が壁

09/12 05:21 更新

 6日に道内で発生したブラックアウトから電力供給がほぼ全道で復旧し、道内の多くの小売店が営業を再開し始めた。ただ、棚から姿を消したままの商品もまだ多い。その代表がコンビニやスーパーなどの弁当だ。なぜ弁当は店頭になかなか戻ってこないのか。そこには、大手全国チェーンならではの「規格」というハードルの存在があった。

[PR]

 「そばはあるんですが、ネギがない。弁当の素材はあるんですが、漬物がない。そうすると『ざるそば』や『幕の内弁当』という商品は作ることができないんです」。大手コンビニチェーンの道内店舗に弁当類を供給する会社の幹部は目いっぱいに涙をためながら、苦しい胸の内を吐露した。「食材はいっぱいある。でも、チェーンの規格に合わない商品は出せない。この苦しいとき、地域の役に立てない。非常に切ない」

 この工場に電力が戻ったのは、地震発生から丸1日以上たった7日午後9時。地震で飛び散った揚げ油の処理や、使えなくなった食材の廃棄などに時間を要し、弁当の生産を再開したのは10日朝だった。その後、多くの食材を確保したものの出荷できる弁当はわずか2品目にとどまっている。

 弁当やおにぎりなどを道内のスーパーマーケットに供給している日糧製パンの月寒工場(札幌)。工場が通電したのは7日午後。弁当など米飯商品の11日の出荷量は通常の6割程度にとどまっているという。

 10日から発注システムが本格稼働し、パンの供給は一部の総菜パンを除けば、12日からほぼ通常に近くなる。一方で、同じ工場で作る弁当の復旧は大きく遅れている。「50個材料があったとき、1個でも食材がないと作れない。ラベル表示もあり、勝手に規格は変えられない」

 店内調理をする小規模な小売店などでは、「いまある食材だけをつかって、なんとか、作れるものがないか、工夫しながらやっている」(北海市場発寒店の青木豊店長)。ただ、全国チェーンに卸す場合、食材も弁当の中身も現場の判断だけでは変えられないのが今のルールだ。

 食材はあるが、供給できない―。地震という天災の際に、ライフラインである食品をいかに迅速に流通させるか。大手チェーンの対応力も問われている。

ページの先頭へ戻る