北海道

なおみ流で

09/11 05:00

観客の多くが対戦相手を応援していたが、冷静さは失わなかった。時折控えめに握る拳は「大丈夫、大丈夫」と、自分に言い聞かせるかのようだった▼テニスの全米オープン女子シングルスで優勝した大坂なおみ選手だ。決勝は「元女王」ウィリアムズ選手相手に、一歩も譲らぬ試合運び。ミスにいらだつ相手とは対照的に、がまんのテニスで頂点をつかんだ。日本テニス史上初の快挙である▼根室市に祖父が住む大坂選手は、札幌に住民票を置く札幌市民。胆振東部地震についても、ツイッターで「皆様(みなさま)の一日も早いご再建をお祈りいたします」と、被災者に思いをはせていた▼大坂選手ばかりではない。北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督は、こう話していた。「(被災者に)少しでも元気になってもらうために野球をやりたい」。北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督も「チームにできることは、勇気と希望を持ってもらえるような戦いを見せること」。たくさんの人が被災地を応援している▼胆振管内厚真町で行方不明者の捜索が終了した。ただ全道の避難所には、今も2千人以上が避難する。電力の安定供給の見通しも付かず、食料品などの流通も十分ではない▼こんなときこそ子どもや障害者、お年寄りら、災害弱者にしっかりと目配せをしながら、冷静に過ごしたい。「大丈夫、大丈夫」―。焦らず、なおみ流でいこう。2018・9・11

[PR]
ページの先頭へ戻る