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占冠 増える外国人住民 人口増加率全国トップ 観光期のみ滞在/定住が課題

09/09 05:00
占冠村上トマムの地域カフェ「ミナ・トマム」で食料品を買う外国人住民(左から香港、中国、台湾出身者)
占冠村上トマムの地域カフェ「ミナ・トマム」で食料品を買う外国人住民(左から香港、中国、台湾出身者)
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 【占冠】総務省が7月に発表した今年1月1日時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査で、上川管内占冠村は前年同期と比べた人口増加率が、全国の市町村で最も高い15・26%(192人増)だった。トマム地区のリゾート施設で働く外国人の急増が要因で、村内人口1450人のうち外国人が4分の1以上の380人を占めた。ただ、外国人の多くは観光繁忙期の一時的な滞在にとどまり、定住に結びついていないのが現状だ。

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 占冠村の外国人人口は、2014年の63人から約6倍に急増した。既存のリゾート施設「星野リゾートトマム」に加え、昨年12月に世界的リゾート運営会社クラブメッドグループ(本部・パリ)が「クラブメッド北海道トマム」を開業し、外国人従業員の雇用が増えたことが主な要因だ。観光繁忙期には、星野リゾートトマムは外国人従業員を約200人、クラブメッド北海道トマムは約250人を雇用。客室の清掃やレストランの配膳に当たり、特に冬のスキーシーズンの雇用が多い。

 だが、両リゾートが設備メンテナンスのため休業する4月と10月には外国人従業員の多くが村を離れ、母国へ一時帰国する。今年4月には村内の外国人人口は102人に激減。村企画商工課地域振興対策室の藤田尚樹室長は「観光閑散期は外国人がぱたりと姿を消す。逆に言えば、人口の増加は一時的なもので、統計を取る時期によって全く事情が異なる」と打ち明ける。

 外国人の長期滞在、定住に向けて、住宅や買い物などの生活環境の整備が課題とされる。トマム地区には民間や村営の空き住宅が少なく、外国人従業員の多くはリゾート内に備えられた寮に入居するほか、車で約40分の十勝管内清水町や新得町から通勤している。

 村は、トマム地区に現在4戸ある子育て支援住宅の拡充に加え、空き家を活用した移住、定住者向け住宅の整備、医師の確保や医療機器の更新など医療体制の充実に力を入れる方針だ。藤田室長は「リゾート側との連携強化を図り、地区内外の人が魅力を感じる活気ある地域を目指す」と話している。

 また、星野リゾートトマムで働く台湾出身の林哲緯さん(29)は「車がないので、買い物はネットを使って寮に宅配してもらう。基本的にはリゾート内で生活は完結しているが、トマム地区に娯楽施設や飲食店がもっとあれば外出する機会も増える」と話す。

 そんな中、トマム地区の住民有志が14年に開設した地域カフェ「ミナ・トマム」が外国人住民に好評だ。営業は週3日で、店内にはパンやスナック菓子、清涼飲料水などが並ぶほか、お茶会や陶芸教室などができるスペースもある。毎週利用する中国出身の王波さん(23)は「商品の価格がコンビニと変わらず、品ぞろえも豊富で助かる」。

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