帯広十勝

十勝の酪農家「生乳出荷できない」 胆振東部地震

09/08 05:00
引き取り先がない生乳を廃棄する酪農家=6日午後3時ごろ、幕別町
引き取り先がない生乳を廃棄する酪農家=6日午後3時ごろ、幕別町

 停電の影響で、管内の1次産業も打撃を受けている。特に酪農が深刻で、各乳業メーカーの工場停止により生産者が生乳を出荷できず、廃棄するケースが相次いでいる。

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 管内の乳業メーカーでは、明治の十勝、本別工場、雪印メグミルクの大樹工場、浦幌乳業の工場で生乳の受け入れを停止。よつ葉乳業十勝主管工場は自家発電で稼働している。ホクレンによると、管内で生産される約5割の生乳が行き場を失った。

 各牧場では6日、停電で機械を動かせず搾乳ができない状態が続いた。牛が乳房炎を引き起こす恐れがあるため、発電機を農家同士で貸し借りしたり、手で搾ったりしてしのいだ。幕別町の久保田良幸さん(61)の牛舎では6日未明に約2千リットルを廃棄。7日未明に電気が復旧したが「生乳のタンクも丸1日で満杯になる。工場が稼働しなければ廃棄を繰り返すしかない」とため息をつく。

 池田町のメガファーム十勝高島牧場も同日、4トンをスラリータンクに廃棄した。8日朝までに集荷が再開しなければ15トンの廃棄を迫られるという。農家の集乳に回った十勝池田町農協でも計約17トンを廃棄し、担当者は「損害はばく大。一刻も早く復旧を」と訴える。

 飼料不足も懸念される。配合飼料を供給する、とかち飼料(広尾)でも工場が操業停止。杉元勝則社長は「在庫は明日(8日)にはなくなる。停電が長期化すれば、飼料が不足する恐れもある」と話す。十勝港には7日、飼料用トウモロコシ1万5千トンなどを積んだ貨物船が入港したが、飼料保管用サイロ「十勝グレーンセンター」が停電中で荷揚げができていない。

 農産物の冷凍倉庫や加工工場も停電の影響を受けている。中札内村農協の枝豆加工場は、冷凍枝豆など約4500トンを収容する冷凍倉庫の電源が喪失。士幌町農協では、冷凍フライドポテトなど数千トンが入る冷凍庫を自家発電で動かしているが「燃料が数日しかもたない」(農協担当者)と懸念する。カルビーの帯広工場、日本罐詰(かんづめ)の加工工場も稼働を停止している。(長谷川史子、米林千晴、大能伸悟)

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