北海道

火発長期停止、備えなし 想定訓練一度もなく 苫東厚真からブラックアウト

09/08 05:00

 胆振東部地震は、北海道電力苫東厚真火力発電所(胆振管内厚真町、165万キロワット)の緊急停止によって、連鎖的に広域停電になる「ブラックアウト」を引き起こした。北電は大規模停電に備えた復旧訓練を日ごろから行っているが、今回のような設備破損による長期間の運転停止を想定した訓練は行っていなかったという。専門家からは備えの甘さを問う声が上がっている。

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 北電によると、ブラックアウトが起きたのは1951年の設立以来初めて。地震発生から17分後の6日午前3時25分ごろ、火力発電所(火発)として道内最大の発電能力を有する苫東厚真全3基のうち1、2号機のボイラーと4号機のタービンが損傷し、緊急停止した。通常は釣り合いが取れている電気の発電量と使用量のバランスが急激に崩れて周波数が乱れ、この影響による機器の故障を避けるため当時稼働していた他の火発も全て自動停止した。

 北電はブラックアウトを想定し、本店で関係部署と道内各地の火発を結んで発生から復旧に向けた訓練を年1回実施している。今回と同様に、苫東厚真の緊急停止で他の火発が同時に運転を停止するケースを想定した訓練を行ったこともある。

 しかし、いずれの訓練も「設備が故障する前に安全装置が働いて運転停止する」こととが前提。復旧に数時間から1日程度を要するシナリオで、今回のように施設内の設備の損傷によって復旧に長期間かかるケースを想定した訓練は一度も行わなかったという。北電の橋本聡工務部部長は6日の記者会見で「訓練だから復旧時間を短縮して進めていたのが実態だった」と釈明した。

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