北海道

停電で生活まひ 全面復旧に1週間超 食料確保へ店に列

09/06 21:30 更新
非常用ランタンの明かりを頼りに事務作業にあたる札幌白石産科婦人科病院の看護師=6日午後2時30分、札幌市白石区東札幌5の6(金田翔撮影)
非常用ランタンの明かりを頼りに事務作業にあたる札幌白石産科婦人科病院の看護師=6日午後2時30分、札幌市白石区東札幌5の6(金田翔撮影)
  • 非常用ランタンの明かりを頼りに事務作業にあたる札幌白石産科婦人科病院の看護師=6日午後2時30分、札幌市白石区東札幌5の6(金田翔撮影)
  • 食料や水を買い求めるため、店先に並ぶ市民ら=6日午前8時45分、札幌市中央区のイオン桑園店(大城戸剛撮影)

 全道が一斉に停電する未曽有の事態に、道民生活はかつてないほどの混乱をみせた。あらゆる都市機能が停止し、住民の日常は一変。命を守る病院は電力確保に奔走した。全面的な復旧には1週間以上かかるとされ、止めどない不安が北海道を覆った。

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 JRや地下鉄などの交通機関が運休し、市民らが足止めされた札幌中心部。6日昼になっても信号機が点灯せず、歩行者が多い交差点では車が速度を落としながら行き交った。豊平区の会社経営矢萩浩二さん(43)は中心部の会社まで車でたどり着いたが、「信号がないと神経を使う。なるべく道を譲った」と疲れた様子だった。

 高層マンションが立ち並ぶ都心の住民もエレベーターが止まり、生活が一変。中央区のマンション6階に住む無職佐藤正幸さん(68)は「非常階段を上り下りしたが、高血圧で心臓の手術をしており、かなりつらい」と不安そうに話した。

 医療福祉現場も対応に追われた。札幌白石産科婦人科病院(白石区)では6日午後、医師や看護師ら約40人がランタンの明かりを頼りに診療や事務作業に当たった。

 同病院では分娩(ぶんべん)中に地震が発生。非常用電源設備が起動したため、母子ともに無事だったが、急患を除く外来患者の受け入れは中止した。約30人の入院患者もいるが、非常用電源の燃料は、最大14時間しかもたない。工藤剛・医事課長(45)は「燃料がなければ診療できない。一刻も早く電気が復旧しなければ命に関わる」と強調した。

 函館市内の特別養護老人ホーム「桔梗みのりの里」はオール電化の施設で自家発電機を使い、急場をしのぐ。入所する高齢者95人の体調に影響はないが、電力は主に消防設備や医療機器用の電源維持に充てるため調理器具には使えず、復旧まで缶詰で対応せざるを得ないという。三浦和夫(よりお)事務長は「これほど長い停電は初めて」と困惑した。

 停電の長期化に備えて食品や日用品を買い求める人が街にあふれた。札幌市中央区のイオン桑園店では店先で食品などを販売。開店1時間前の午前7時から行列ができた。約4時間並んでお茶やパン、携帯ラジオを購入した中央区の会社員池内麻衣子さん(43)は「情報が錯綜(さくそう)していて何があるか分からないので、買いだめをした」と安堵(あんど)した。

 釧路市のイオン釧路昭和店でも、1階エントランスでパンやカップ麺、乾電池などを販売し、午前9時には店外に200メートルほどの行列ができた。市内の主婦竹内朋子さん(63)は「オール電化で調理できないので、すぐに食べられるパンと水を買った。いつまで停電が続くか心配」と話した。

 情報収集に欠かせないスマートフォンを充電できる場所を多くの人が探し求めた。札幌市は中央区の市役所本庁舎で午前8時ごろから、一度に約70台分を充電できる無料サービスを実施。市民ら500人以上が列をつくった。中央区の派遣社員綾部莉紗さん(27)は「テレビを見られないのでスマホがないと、何も情報を得られない」と話した。

 札幌中心部は夜になっても停電が続き、ビルの明かりやネオンが消えた薄暗い街に戻った。

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