卓上四季

重いかばん

09/06 05:00

「ただいま!」と帰るやいなや玄関にランドセルを放り投げ、再び外へ。「ちょっと待ちなさい。宿題は?」。親の怒った声が背中越しに聞こえてもお構いなしで、友だちが待つ遊び場へ走った―。通学かばんにまつわる懐かしい記憶だ▼NHK「みんなのうた」で昨年流れた「夢運んだランドセル」は、相棒のようなかばんに語りかける。〈カサカサ落ち葉と 肩すぼめ何度も歩いたね この道を〉。作詞した歌手のhitomiさんは、小学校に入るわが子のワクワク感と、自分が幼いころにタイムスリップしたような感覚を重ねたとブログにつづった▼ひとりひとりに思い出がある。そんな存在なのだろうが、最近は感傷に浸ってばかりもいられないらしい。「通学かばんが重すぎる」との声が保護者に広がって、文部科学省が対応に乗りだした▼かばんの重量化は教科書のページ数や副教材、プリントの増加、本の大判化などが原因のようだ。できるだけ教材を置いて帰る「置き勉」を、学校側に求めている教育委員会も少なくない▼重いかばんは発達過程にある子の背骨や腰に良くないと、専門家は警鐘を鳴らす。危険な運転の車や不審者への対処を鈍らせる恐れもある。手だては必要だろう▼併せて、教科書や教材の分量が本当に適切か議論してはどうか。点検する現場の荷は重かろうが、分量が多ければ知識が豊かになるとは限るまい。2018・9・6

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