森友問題

経産省文書管理 「骨抜き指示」許されぬ

09/06 05:00

 森友・加計問題への反省がまったく感じられない。

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 経済産業省が職員に対し、政治家や各省庁との折衝記録について「個別の発言まで記録する必要はない」と指示する文書をまとめ、配布していたことが分かった。

 文書には「いつ、誰と、何の打ち合わせをしたかが分かればよい」とも書かれていた。事実上の命令と受けとめた職員も多い。

 これでは、政策決定過程で政治家らの不当な関与があっても検証できなくなってしまう。

 安倍晋三政権の中枢から問題視する声が出ないのもおかしい。政治家に都合がいいからなのか。公文書の中身を「骨抜き」にする恣意(しい)的な対応を許してはならない。

 政府は昨年末に公文書管理のガイドラインを見直したが、官僚任せとしたため、その弊害が出た。

 公文書管理の抜け道を許さない抜本的な法改正が必要である。

 森友・加計問題では公文書への記録が十分でなかったため、真相はいまだ解明されていない。

 それを踏まえ、新ガイドラインができた。ただ、記録内容の正確を期すとして、出席者の確認を求めたため、関係者にとって互いに不都合な発言は修正される恐れも指摘されていた。

 今回の経産省指示はそうした懸念の以前に、文書作成時から発言そのものを残さないよう求めている。新ガイドラインを逆手にとった「抜け道」の指南とも言える。

 森友・加計問題では経産省出身官僚の関与が国会で追及された。であるなら逆に、透明性のある対応を率先してやるべきだろう。

 そもそも公文書は「国民共有の知的資源」であり、歴史の検証に資する形で残す必要がある。

 それにはあらゆる文書を公文書に位置付け、保存する仕組みが欠かせない。公文書管理法や新ガイドラインは、そこまで踏み込んでおらず不十分な内容だ。

 財務省での決裁文書改ざんが新たに発覚したことを受け、政府は7月に再発防止策をまとめた。

 その一つとして、特定秘密を監視する内閣府の独立公文書管理監の権限を拡大し、管理監の下で各省庁の文書管理状況を監視する公文書監察室新設を盛り込んだ。その体制が今週から始動している。

 ただこれにも問題がある。管理監が法律上、首相の下に置かれ、政権の影響力を完全に排除できているとは言い切れないからだ。

 法改正などを通じて、政権から独立した公文書管理の監視機関を設けることも急務である。

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