留萌宗谷

留萌 やまと会館取り壊しへ 酔客に愛され65年の歴史に幕 箸転がり杯が滑る 常連客、惜しむ声

09/05 13:47
明かり取りの屋根が珍しいやまと会館の前に立つ伊藤さん(左から2人目)
明かり取りの屋根が珍しいやまと会館の前に立つ伊藤さん(左から2人目)
  • 明かり取りの屋根が珍しいやまと会館の前に立つ伊藤さん(左から2人目)
  • 内部の小路から見た天井の明かり取り

 【留萌】木造2階建ての建物の真ん中を貫く小路から見上げると、はりを組んだ明かり取りが天井に見える。市内の繁華街にあるやまと会館(開運町3)。長く酔客に親しまれてきたが、建設から既に65年。今月中旬に取り壊すことが決まり、なじみ客が残念がっている。

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 店全体が微妙に傾いているかなと思ったら、酔いのせいではない。カウンターの傾きは、はしが転げ落ちないかと心配するほど。「居酒屋やまと」では、初めて来店する客に、店主の伊藤隆子さん(73)が「びっくりしたでしょ?」と、はにかんだ笑みで声をかけるのがいつもの光景だった。

 会館は1953年、伊藤さんの両親が建てた。留萌港の副港が埋め立てられ、一帯が整備されたのがきっかけだ。時は留萌の全盛期。会館には20軒ほどの店が入った。ニシンを満載した船が着き、駅には石炭や木材が集まり、夜の街はきらめくネオンであふれた。伊藤さんの両親は会館を増築し、旅館業も営んだ。

 会館の斜め向かいで酒店を経営する奥村茂之さん(79)は「ニシンの水揚げが減り、繁華街が本港周辺から今の市街地に移り始めたころ。会館にはキャバレーなんかもあって実に華やかだった」と懐かしむ。近くでパブを営む寺西利美彦さん(79)も「怪しげな店やこわいお兄さんがいた店もあったよ。今で言うスナックでは高い洋酒がばんばん売れていた。あんな時代はもう来ないだろうね」。

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