卓上四季

針の行方

09/03 05:00

この1年で事態は好転した。そう思いたい。だが、「好転した」と断言しにくいもどかしさやもやもやした感じが、どうしても残ってしまう▼北朝鮮国営の朝鮮中央テレビが、米本土を狙う大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水爆実験に「成功した」と発表したのは、1年前のきょうである。その5日前には道内上空を通過する弾道ミサイルを発射していただけに、緊張を高める暴挙に不安を募らせた道民も少なくなかった▼もちろん道民ばかりではない。「終末時計」を管理する米誌は今年1月、針を30秒進め、地球最後の日までの残り時間を過去最短の「2分」とした▼トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が6月にシンガポールで会談し、こうした危機感は少し和らいではいる。北朝鮮も会談に先立って、核実験とICBM試験発射の中止を決めた。ところが、非核化の協議はぎくしゃくした状態が続く。先日もポンペオ米国務長官の訪朝が突然、中止になった▼なにせ、「米国のおいぼれ」「ちびのロケットマン」「核のボタンが机の上にいつもある」「(米国の核は)彼のものよりずっと大きく、強力だ」と、子どものような口げんかをしていた間柄だ。予測の難しい2人ではあるが、ここは冷静さを保って広い視野で行動してほしい▼世界中の人々は強く望んでいる。終末時計の針をこれ以上進めてはならない、と。2018・9・3

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