社説

議員なり手対策 住民理解広げる努力を

09/03 05:00

 地方議員のなり手不足の深刻さがあらためて浮き彫りになった。

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 北海道新聞が行った全道アンケートで、道内179市町村議会の約3割に当たる52市町村の議長が、次回の議員選挙で立候補者数が定数に満たずに欠員が生じる不安があると答えた。

 なり手の確保策として、報酬の増額を挙げた議長が6割を超え、2010年以降に実際に増額を決めた議会も約3割に達した。

 道内の町村議会議員の平均報酬は月18万円弱で、他に収入源がないと生活が成り立たないといった声が根強くあるためだ。

 しかし、報酬の引き上げは自治体の財政負担が増えるだけに、住民の理解が欠かせない。

 議員が報酬に見合った働きをしているかを住民に分かりやすく伝え、納得してもらう必要がある。

 道内の市町村議会では、2000年代に議員定数とともに報酬の削減が進んだ。

 自治体の財政難が大きな理由だが、背景の一つに、議員の活動が住民に見えにくく、仕事以上の報酬を得ているとの疑念があったことは否定できない。

 町長の給与を基準に町議の活動日数から報酬を算出する「浦幌方式」で知られる十勝管内浦幌町議会は、町民アンケートや住民懇談会で報酬引き上げに対する意見をくみ取る努力を重ねた。

 住民と丁寧に話し合うことで、議員活動への理解が広がる。住民の声が代弁されていると実感できれば、待遇改善への賛意を得られるだけでなく、立候補を考える人も現れるのではないか。

 なり手不足は、報酬だけの問題ではないだろう。

 長野県喬木(たかぎ)村議会は、議事日程の大半を夜間や休日に行う制度を昨年12月から導入した。

 別に仕事を持つ人が議員を兼業できる議会を目指す取り組みとして注目に値しよう。

 進出が遅れている女性の議員を増やすことも大切だ。育児休暇をルール化したり、託児所を併設したりする工夫が求められる。

 国は現行制度に加え、報酬を抑えて議員数を増やす「多数参画型」と、議員数を減らして専業で生活できる報酬を支給する「集中専門型」の二つの類型から選べる仕組みを軸に対策を検討する。

 だが、地域のことは地域で決めるのが、地方分権の趣旨であることを忘れてはならない。

 国の制度見直しにとらわれず、住民自らが地域の実情に合わせて議会のあり方を考えるべきだ。

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