政治

辺野古承認撤回 国は立ち止まり対話を

09/01 05:00

 沖縄県はきのう、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先である名護市辺野古の沿岸部の埋め立て承認を撤回した。

[PR]

 「新基地建設はあらゆる手段で阻止する」としてきた翁長雄志(おながたけし)知事が7月末に撤回手続きに入ることを表明した後、急逝したことを受け、権限を引き継いだ副知事が代行した。

 安倍晋三政権は「辺野古移設が唯一の解決策」とし、強権的な手法で工事を進めてきた。沖縄の反対の声を無視し、地方自治を踏みにじる姿勢と言える。それを踏まえれば、撤回はやむを得ない。

 辺野古問題は13日告示、30日投開票の県知事選でも大きな争点になろう。

 これ以上、国と県の対立を先鋭化させてはならない。

 承認撤回により、移設工事の法的根拠は失われる。国は再び法廷闘争を繰り返すのではなく、移設反対の声に耳を傾け、対話を通じて解決の道を探るべきだ。

 翁長氏の表明後、県は手続きに入り、対象海域に軟弱地盤や活断層が存在し防災上の問題などがある、と結論付けた。

 これに対し、国は撤回の効力を止める「執行停止」を裁判所に申し立てる方針だ。停止が認められれば、土砂投入などの海上工事は再び可能となる。

 国は承認撤回の取り消しを求める訴訟も起こし、さらに工事の中断で発生した損害賠償を県に求める構えも見せている。

 こうした法廷闘争を続けることは、安倍首相が「沖縄の方々の気持ちに寄り添う」とした政府方針とまったく逆ではないのか。

 辺野古沿岸部の埋め立ては2013年12月、当時の仲井真弘多(なかいまひろかず)知事が承認したものだ。

 その後、新基地反対を掲げた翁長氏が知事に就任し、承認を取り消すなどしたことで国と県の法廷闘争が繰り返されてきた。

 その中で示された判決は、基地が集中する沖縄の歴史や現状を直視しない「県側敗訴」が続いていただけに、今回の承認撤回は、県が取り得る残り少ない対抗手段だったと言える。

 共同通信が8月に実施した全国世論調査では、辺野古移設を支持しないとの回答は44%で、支持するを4ポイント上回った。安倍政権の強硬な対応に、国民の理解が得られていないことは明らかである。

 県知事選の候補予定者は承認撤回後の対応も含め、辺野古問題をどう解決するのか見解を示し、しっかりと論争してもらいたい。

ページの先頭へ戻る