社説

災害への備え 先手先手で命を守ろう

08/31 05:00

 台風や豪雨災害に備え、自治体や住民などの行動を時系列で決める「タイムライン」(防災行動計画)が注目されている。

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 突然揺れに襲われる地震と異なり、台風や豪雨は、規模や動きがある程度予測可能だ。タイムラインは有効な対策と言える。

 7月の西日本豪雨は平成最悪の水害となった。堤防などハード面に頼るだけでは限界があろう。

 あすは防災の日。災害に先手先手で備えるタイムラインを策定することで、地域全体の防災意識の向上に努めたい。

 道や開発局によると、約半数の市町村がタイムラインを作り終えた。普及を急ぐ必要がある。

 その多くは、河川の水位や気象情報に基づき、避難勧告を出す仕組みになっている。

 これを進化させたのが、段階別に「いつ」「誰が」「何をするのか」を決め、細かく一覧化したタイムラインだ。

 2012年に米東部を襲ったハリケーンで、効果を発揮し、被害を抑えた実績がある。

 自治体や気象台、警察、消防、自衛隊、電気、ガス、交通などの事業者、町内会といった多くの機関・団体が連携して策定すれば、一層の効果が期待できよう。

 丁寧な議論を重ねることで顔の見える関係が築き上げられる。

 災害時の連携もスムーズになるはずだ。それぞれの責任も明確化され、先を見越した早めの行動にもつなげやすい。

 道内では、滝川市など5市町が策定済みで、3市町が策定中だ。残念ながら、まだ少ない。

 16年の台風で滝川市では、1981年の「56水害」を超える雨に見舞われたが、担当者はタイムラインがあったことで精神的な余裕が生まれたという。

 同市には町内会レベルの地域版タイムラインもある。

 大切なのは、災害が発生するたびに検証を行い、改良を加え、精度を高めることだ。不断の見直しが欠かせない。

 15年の関東・東北豪雨の被災地である茨城県常総市の試みは、さらに先進的だ。

 地区ごとに検討会を開催し、関係者の解説を聴きながら、住民がそれぞれの環境に合った「マイ・タイムライン」を作る。

 こうした事例も参考に、地域の危険箇所や災害弱者宅などを把握し、いつ、誰と、どこへ逃げるのかを認識しておく。

 一人一人が命を守る意識を高めておくことが何より重要である。

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