卓上四季

言い訳

08/30 05:00

例えば駐車違反。道路標識に気付かず、違反切符を切られたとしよう。「標識に気付かなくて」との釈明を、お巡りさんは許してくれるか▼例えば酒気帯び運転。前日に深酒し、翌朝まで酒が残っていた。呼気検査で基準値を上回るアルコールが検出されたとする。「きょうは飲んでないから違反ではない」。そんな強弁が通用すると思うか▼中央省庁による障害者雇用水増し問題に対する各省庁の弁明は、こうした言い訳と同じようなものだろう。「解釈の仕方の違い」(財務省)「誤解があった」(法務省)。いずれも「故意ではなかった」と言いたいようだ▼健常者の管理職が自らを障害者に含めたり、死亡した職員を算入したりする例もあったという。「気付かなかった」「故意ではない」との言葉を信じろという方が無理である。百歩譲って故意でなかったとしても、模範となるべき中央省庁が法律を守っていなかったのだ▼国土交通省に至っては「(水増しの)数が多いのは(職員の)母数が多いことも理由だ」と半ば開き直っている。数の問題ではないだろう▼監督官庁の厚労省幹部の言い訳も振るっていた。民間企業と比べ、はるかに省庁に対するチェックが甘かった理由が「性善説の上に成り立っていたから」。あちこちの省庁で、公文書の隠蔽(いんぺい)や改ざんが行われていたことを忘れてしまったのか。「性善説」が、聞いてあきれる。2018・8・30

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