社説

沖縄県知事選 辺野古 正面から論戦を

08/30 05:05

 きのう、自由党幹事長の玉城デニー衆院議員(沖縄3区)が来月の沖縄県知事選に、急逝した翁長雄志(おながたけし)知事の後継として立候補すると表明した。

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 政権与党の推薦を受けて、すでに出馬表明している前宜野湾市長の佐喜真淳(さきまあつし)氏との事実上の一騎打ちになる見通しだ。

 翁長氏は保守、革新の枠を超えた「オール沖縄」の立場で米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対してきた。

 安倍晋三政権は「辺野古移設が唯一の解決策」とし、県との対立は長期化している。

 辺野古移設は全国が注目する問題である。

 玉城、佐喜真両氏は移設の是非をしっかりと争点に掲げ、正面から議論を戦わせてほしい。

 玉城氏は記者会見で「翁長氏の遺志を引き継ぎ、新基地建設阻止を貫徹する」と表明した。

 支援体制を巡っては、すでに立憲民主党や国民民主党、共産党など野党5党派が協力する考えを明らかにしている。

 しかしこの4年間、県と国の対立が激化する中で、翁長氏の主要支持母体「オール沖縄会議」から脱会する動きもある。

 自民党沖縄県連の重鎮だった翁長氏は保守勢力から一定の支持を得たが、自由党の玉城氏の陣営が「オール沖縄」体制をどう維持するかも焦点になりそうだ。

 翁長氏が生前、玉城氏を「後継候補」の1人に指名していたとの情報が示され、玉城氏擁立の流れが加速した。ただ、人選の過程が不透明だとの指摘もあり、経緯をきちんと説明する必要があろう。

 一方、佐喜真氏は普天間飛行場の危険性を除去する必要性を訴えるとともに、政権とのパイプを生かした振興策に力を入れる考えを示している。

 ところが辺野古移設の是非について詳しくは言及していない。

 辺野古沿岸部の埋め立て承認に関し「撤回もあり得る」との考えも示した。辺野古問題の争点化を避ける狙いがあるとみられる。

 推薦を受ける自公両党の基本方針と食い違っており、何とも分かりづらい。

 公明党は本部が辺野古移設に同調する一方、県本部は県外移設を求めている。党としての政策の一貫性が問われよう。

 県は、辺野古沿岸部の埋め立て承認を近く撤回する方針だ。

 玉城、佐喜真両氏には撤回後の対応についても見解を示してもらいたい。

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