文化・芸能

<新刊と文庫>「ふつうの非婚出産」など

08/26 05:00

<単行本>

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◆ふつうの非婚出産 櫨畑(はじはた)敦子著
 結婚するつもりはないけど、子供を持ちたい。そう考えた著者の妊娠、非婚出産、友人との育児などの日々を描くエッセー。ゲイカップルの協力による人工授精を試みたり、契約結婚など出産への困難を乗り越えたりしながら、新しい家族の形をつくっていく著者の前向きな姿勢が印象的だ。(イースト・プレス 1404円)

◆泥濘(ぬかるみ) 黒川博行著
 建設コンサルタントの二宮と暴力団若頭補佐桑原の疫病神コンビが腐敗した権力に挑むバイオレンス小説。警察OBの親睦団体が関与した歯科診療報酬不正受給事件を知って乗り込んだ桑原は銃で撃たれ心肺停止、二宮は拉致されてしまう。そのほか、老人ホームの乗っ取りなど、貧困ビジネスを題材に描いた作品を掲載。(文芸春秋 1944円)

◆分かちあう心の進化 松沢哲郎著

 40年以上、チンパンジーの「心」の研究を続けてきた学者が、霊長類の研究を通じて見えてきた人間の心の進化について解説する。チンパンジーには人間よりも優れた記憶力があるが、目の前にない物に想像力を働かせることは難しい。その違いが言語の発達につながったという。霊長類の研究が人間の探求に結びついていることがよくわかり、興味深い。(岩波科学ライブラリー 1944円)


◆解死人(げしにん)次郎左 新井政美著
 解死人とは村同士などの争いで、加害者側が謝罪の意味で被害者側に差し出す浮浪の人をいう。武士の出身ながら戦嫌いの次郎左衛門は浪人となり、子の三十郎とともに「解死人」として生きている。隣村とのもめ事で人質にされたり、村人に代わって労役に出されたりする。戦国時代の信濃を舞台に解死人親子の姿を描く異色の長編時代小説。(河出書房新社 1728円)

◆吉野信的アフリカ 吉野信著

 写真家でイラストレーターの著者が、雑誌に連載した「アフリカ新博物誌」に加筆したフォトエッセー。ケニアでは200頭のゾウの群れに50メートルまで接近。ザイール(現コンゴ)のゴリラ探訪で感じた野生動物と人間との共存、カラハリ砂漠のブッシュマン(サン人)による狩りの実演、南アフリカ2泊3日の超豪華列車旅など、動物以外の話も交え、アフリカの姿を描く。(天夢人 1944円)

<文庫・新書>


◆ふたたびの虹 中島久枝著
 江戸の菓子屋「牡丹堂」を舞台に菓子をこよなく愛する人々を描くシリーズ第3弾。牡丹堂の職人たちが、女房を亡くし消沈した隠居の喜四郎を、思い出のお菓子で元気づけようと奮闘する話など4編を収録。季節の菓子が楽しめ、人の情けが感じられる一冊。(光文社文庫 648円)

◆高橋名人のゲーム35年史 高橋名人著
 ファミコンの時代から現在までゲーム業界に関わり、早業の「16連射」などの伝説を残す札幌出身の著者が、裏話を交えながら半生をつづる。「経験値」を重ねながら、今なお「遊ぶことの楽しさ」を追究する姿勢は、「名人」の名に恥じない。(ポプラ新書 864円)

◆美貌のひと 中野京子著

 ピカソの「夢」やクラムスコイの「忘れえぬ女(ひと)」など、名画の中の実在・架空問わず美しき男女24人を紹介。著者は「怖い絵」シリーズで知られる苫小牧出身の作家。当時の社会情勢など広範な歴史・文学の知識を織り交ぜ、絵の背後の人間模様を浮き彫りにする。(PHP新書 994円)


◆トヨタ 現場の「オヤジ」たち 野地秩嘉(つねよし)著
 中卒で生産現場のたたき上げ。トヨタ自動車の副社長となった河合満が語る、モノ作りへのこだわりと誇りとは。現場作業員たちに「オヤジ」と呼ばれる同社の工場責任者たちが築き上げた、“トヨタ生産方式”の強さの秘密が解き明かされる。(新潮新書 799円)

◆脳を守る、たった1つの習慣 築山節著
 脳神経外科医の著者が考案した脳の衰え防止策「築山式ノート」を解説。体重や血圧、食事内容、声に出して読んだ物など15項目を毎日、記入することで脳幹、大脳辺縁系、大脳新皮質を刺激、脳の機能が維持できると説明する。(NHK出版新書 842円)

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