Go!Go!ファイターズ

「人生的」スポーツの至福<大藤 晋司>

08/24 05:00
2016年の日本シリーズを制し、胴上げされる栗山監督。移転15年の名場面の一つだ
2016年の日本シリーズを制し、胴上げされる栗山監督。移転15年の名場面の一つだ

 ペナントレースが白熱するこの時期は、夏休みとも重なり、各球団の企画や演出にも力が入ります。

[PR]

 日本ハムの今月の主催試合では「ファイターズ誕生15thプロジェクト」が展開されています。北海道移転15年を記念し、これまでの軌跡を振り返るのがテーマ。移転当初から今まで継続して取材や実況で関わってきている私には「涙もの」の企画です。

 今季は開幕当初から、試合のイニング間に札幌ドームのビジョンに過去の名場面が流れています。1分程度ですが、当時の試合状況が克明によみがえるだけでなく、「この頃自分の身にはこんなことが起きていたな」とか、「こういうことを考えていたな」といったこともしみじみと思い出され、私の「ひそかな楽しみ」になっています。

 スポーツにはプレーとともに、当時の自分の生活や心情が記憶される性質がありますが、ドームの映像を見ていると、野球、特にプロ野球には「暮らしに寄り添う力」があるのだなと改めて感じます。

 栗山監督が師と仰ぐ昭和の名将、故・三原脩さんは「野球とは、人生的スポーツである」という言葉を残しました。人生と同じように自分の力だけではどうにもならない、見えざる力に左右されるのが野球である、と三原さんは考え、「ツキ=運」を呼び込むさまざまな駆け引きを駆使しました。そしてその采配で、弱小だった西鉄や大洋を日本一に導き、「魔術師」と呼ばれました(ご自身はそう呼ばれることを嫌っていたそうですが)。

 確かに野球は他のスポーツ以上に「見えざる力に左右された」としかいいようのない出来事が多々起きます。時に「理不尽」とすら感じられるほどです。でもそれゆえに喜怒哀楽も深い。これは私たちの日々の生活と重なることです。だからそれらのシーンは、目撃した人自身の記憶により深く刻まれるのだと思います。「人生的」とは、実に絶妙な表現だと感服します。

 そんな人生的なスポーツが、私たちのすぐそばにある幸せ―この15年はそれを享受してきた歳月なのだと、映像を見るたびに感じています。

 今回の企画の一つに、この名場面紹介を当時の実況を担当したアナウンサーが現場で「生実況」するというものがあり、実はきょう24日の担当は私です。

 私の中で「人生的」な試合と位置づける試合を選んだつもりです。観戦をご予定の方は少しだけ気にかけていただければ幸いです。(大藤 晋司・テレビ北海道アナウンサー)

試合速報・結果
  • プロ野球
  • Jリーグ
  • サッカー代表
  • 大相撲
  • 甲子園
  • ゴルフ
  • 大リーグ
  • Bリーグ
ページの先頭へ戻る