北海道

厚労省認定、若者が働きやすい ユースエール企業 釧路管内に6社 全道の半数集中

08/23 05:00
ユースエール認定マークを掲載している東邦コンサルタントのホームページ
ユースエール認定マークを掲載している東邦コンサルタントのホームページ

 若者の採用や育成に積極的で雇用管理も優れている中小企業として、厚生労働省から「ユースエール認定」を受ける企業が釧路管内で増えている。人手不足感が強まる中、各企業は従業員が働きやすい環境を整備し人材確保につなげようとしており、認定は若者への重要なアピール策の一つになりそうだ。

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 認定制度は2015年度から始まった。今年8月22日現在の認定企業数は全国386社、道内は12社で、釧路管内は6社と道内の半数を占めている。釧路公共職業安定所が認定基準を満たしていたり、基準に近づいていたりする企業に申請を勧め、16年度に1社、17年度に4社、18年度は22日までに1社と着実に増えてきた。根室管内の認定企業はない。

 釧路市の建設コンサルタント業「東邦コンサルタント」は17年12月に認定を受けた。認定企業は認定マークの使用が認められており、同社もホームページや名刺に使っている。

 同社は2、3年前から若者も含めた社員全体の労働環境の改善に着手。業績を伸ばすためには社員を休ませることも必要だという声が社内で高まったためだ。約60人の社員の勤怠管理は一人一人に配布したICカードで行い、社員自身がパソコンでいつでも労務状況を確認できる。閑散期にまとまった休みの取得も呼び掛けた。この結果、16年度は月平均の所定外労働時間がユースエール認定基準の「20時間以下」を大きく下回る9・0時間となり、有給休暇の平均取得日数も10・4日と基準の「10日以上」をクリア。会社で初めて男性社員の育児休業も実現し、育児休業に関する基準も満たした。

 同社の労務担当者は「会社説明会では『ユースエール認定を受けているから』と興味を持ってくれた学生もいた。年々若い社員が増えており、勤め続けてもらうためにも、継続して認定を受けられるようにしていきたい」と話す。

 厚岸調剤薬局(厚岸町)は01年の創業当初から働きやすい職場づくりを進め、14~16年の3年間で女性社員5人が育児休業を取得するなど基準に達し、17年7月に認定を受けた。今春には3年ぶりに高卒の事務職員2人を厚岸と釧路から採用し、今後も地元の人材を積極的に採る考えだ。平良木宣行社長は「地域の企業として地元からいい人材を確保するためにも、ユースエールは大きなブランドになると思う」と話す。

 全国や道内の他地域と同様に、釧路、根室管内は人手不足が深刻だ。日銀釧路支店が発表した6月の道東地域(釧路、根室、十勝管内)の企業短期経済観測調査によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)で、人員が「過剰」と答えた割合から「不足」と答えた割合を引いた指数はマイナス47となっている。

 釧路公共職業安定所の今井俊哉所長は「認定企業では上司が率先して仕事を終わらせようとするなど社員の意識が変わり、いい循環が生まれている。働きやすい環境が整えば、若者へのアピールとともに早期離職の防止も期待できる」と話している。(光嶋るい) 


 <ことば>ユースエール認定企業 2015年10月施行の若者雇用促進法によって制定された。従業員300人以下の中小企業が対象で、直近3年間の新卒正社員の離職率が20%以下、人材育成方針と教育訓練計画を策定しているといった要件をすべて満たしていることなどが認定条件。認定企業は職安で重点的にPRしてもらえるほか、若者の採用、育成を支援する助成金の活用の際、一定額が加算されるなどのメリットがある。認定から1年ごとに基準を満たしているか報告する義務がある。

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