卓上四季

サケオロジー

08/23 05:00

去りかけた季節を無理やり引き戻すかのように、蒸し暑さが返ってきた。予報では、しばし気温の高めの日が続きそうだ。そんな名残の夏を惜しむには、やはり冷酒がいい▼道内産酒米の品質向上に伴い、道産日本酒も評価が高まっている。ただ、戦後すぐには7割もあった道内でのシェアは年々下がり、現在は2割を切る。そこで、道産日本酒の盛り上げにこんな話はヒントにならないか▼新潟県と県酒造組合、新潟大が本年度、日本酒学センターを設立した。日本酒に関する教育、研究、情報発信、国際交流が目的で、同大は日本酒学(サケオロジー)の講義も始めた。醸造や発酵は工学部、歴史や文化は人文学部、流通は経済学部など、ほぼ全学部の教員が講義を担当する▼同様の講義は、酒どころ灘(なだ)を抱える神戸市の神戸大でも今秋から始まる。どちらも酒を多角的に学び、利き酒や酒蔵での実習も行う。新潟大では定員を大幅に上回る学生が受講しているそうだ▼海外では和食ブームに伴い、日本酒の人気も高い。道内でもこうした産学官の取り組みを、市場拡大と海外展開につなげることはできないだろうか。北海道は訪日外国人客も多い。本州に勝るとも劣らない道産日本酒にも、大きな可能性があるはずだ▼きょうも道内は各地で暑くなりそう。今宵(こよい)の晩酌はぜひとも道内の地酒で。「飲まない日はさみしい」と山頭火も言っている。2018・8・23

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