社説

道内空港民営化 地域の活力生む提案を

08/16 05:00

 道内7空港の一括民営化に向け国土交通省はきょう、運営権を希望する事業者の応募を締め切る。

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 すでに四つの企業連合が名乗りを上げており、来月にも第2次審査に進む3陣営に絞られ、来年夏ごろに優先交渉権者が決まる。

 各陣営には、道内の有力企業の加え、空港、鉄道、不動産などの分野で実績を持つ国内や海外の大手企業が名を連ねている。

 それぞれが知恵を絞り、各空港の潜在力を引き出すとともに、北海道の地域全体に活力をもたらす提案となるよう期待したい。

 空港民営化は、国や自治体管理の滑走路、第三セクター経営の空港ビルなど、事業主体や予算が別々の各設備を30年間、一つの企業体に運営委託し、一体として活性化を目指す試みだ。

 2年前に民営化された仙台空港は、物販・飲食部門の強化で得た収益を着陸料引き下げの原資に充て、格安航空会社(LCC)を誘致。2017年度の乗降客数を前年よりも9%近く伸ばした。

 ただ、新千歳、函館、釧路、稚内、女満別、帯広、旭川各空港の一括民営化は、従来の事例とは質の異なるプロジェクトになる。

 新千歳空港は16年度、空港ビルなどの非航空系事業で35億円の営業黒字を稼ぎ出しただけでなく、着陸料を収入源とする滑走路などの航空系事業でも22億円の営業黒字となった。

 国管理26空港のうち24空港の航空系事業が赤字に陥る中で、現在の体制のままでも高収益が望める例外的な空港だ。

 新たな運営事業者にまず求められるのは、新千歳が生み出す潤沢な利益を他の6空港への投資に適切に振り向け、全体の底上げにつなげることである。

 道は20年度の外国人観光客数を500万人と、16年度の倍以上に引き上げる目標を掲げる。そうなれば、新千歳の受け入れ能力を超える事態も想定される。

 他の6空港にLCCを分散誘致し、鉄道やバス、レンタカーとの連携で、北海道の「出入り口」を多様化する戦略が求められよう。

 主要空港を一括運営する責任ある立場として、道内路線網の充実を主導する役割も重要だ。

 民営化対象外の6空港を含めた道内空港のネットワークを、道民がより使いやすいものにしていくアイデアにも注目したい。

 こうした一括民営化の手法は欧米にも先行事例がない。国は審査の透明性を確保し、道民が納得できる選考を進めてもらいたい。

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