瀬川院長の子育てカルテ

母乳と薬 毒性強くなければ影響少ない

08/05 09:46
母乳と薬 毒性強くなければ影響少ない

 <質問1> 親知らずを来週抜くのですが、生後4カ月の子に授乳しており、麻酔薬などの影響が心配です。

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 <質問2> 腱鞘(けんしょう)炎の治療として、手首へのステロイド薬の注射を勧められました。まだ1歳の子に授乳中ですが大丈夫でしょうか。

 <回答> 母乳と薬については誤解が多々あるようです。まず「授乳中は薬は一切ダメ」と思っている方が多いこと。米国小児科学会は、授乳禁止となる薬は3%程度としています。ほとんどの薬は母乳に出ますが、実際に赤ちゃんに移行する量は、大抵はごくわずか。移行量が多いと問題になりますが、その目安として、薬が母乳を通じて赤ちゃんに移行する量を示す基準があります。その基準が10%以下の場合、授乳は安全と考えます。多くの薬は1%以下ですが、抗がん剤のように、母乳への移行が微量でも毒性が強い薬は当てはまりません。

 抜歯の際に使う薬は局所麻酔薬と抗菌薬、鎮痛剤です。局所麻酔薬は母乳へあまり出ず、赤ちゃんにもあまり移行しません。抗菌薬と鎮痛剤については、授乳がダメな薬はほとんどありません。時折「授乳中なので痛み止めを使えない」と頭痛をじっと我慢しているお母さんを見かけますが、痛み止めは授乳に支障ないので、辛いときは我慢せずに使ってください。

 ステロイド薬はあまり母乳に出ないので、大量でなければ授乳は問題ありません。ご相談のケースは、長時間腱鞘にとどまるステロイドを注射するということでしたが、腱鞘から母乳へ移行する薬の量は少ないと考えられます。また、お子さんは1歳で母乳だけで育っているわけでなく、授乳量も多くはないので、母乳からの薬の移行は多くないと思われます。授乳してるから薬はダメということではないことを是非知っておいてください。(瀬川雅史=のえる小児科院長)

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