政治

財務省人事 森友問題の反省どこに

07/31 05:00

 森友学園の国有地売却を巡る決裁文書改ざんなどへの反省が見られない。そう言わざるを得ない人事だ。

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 政府はセクハラ問題で辞任した財務省の福田淳一前事務次官の後任に、岡本薫明(しげあき)主計局長を昇格させた。

 主計局長から事務次官への昇格は財務省ではお決まりのコースである。岡本氏は次官候補の本命とみられていた。

 しかし、岡本氏は文書改ざんが行われていた当時、文書管理や国会対応に責任を持つ官房長だった。その管理責任を問われて厳重注意処分も受けた。

 その人物が事務方トップに就任して、財務省の抜本的な改革は果たして期待できるのか。

 他の主要ポストもほぼ順送りで「身内の論理」が色濃く表れている。麻生太郎財務相や安倍晋三首相がすんなり了承したのは無責任というほかない。

 一連の問題で問われたのは「首相への忖度(そんたく)」に象徴される「ゆがんだ政と官」の関係だ。人心一新を進め、真相の解明に力を尽くさなければ信頼回復はほど遠い。

 財務省は森友問題で佐川宣寿(のぶひさ)国税庁長官が辞任し、省のトップ2人が3カ月以上不在という異例の事態が続いていた。

 この間、財務省は公文書改ざんなどの再発防止策をまとめたが、小手先の改革にとどまっている。幹部人事も不祥事幕引きの意図が見受けられる。許されることではない。

 麻生財務相は法令順守を強化するための組織を新設すると発表した。そのトップにも岡本氏を据える。これでは第三者の視点が十分に反映されるか疑問だ。

 そもそも麻生財務相は安倍首相の意向も受けて引責辞任はせず、「きちんと対応することで職責を果たしたい」と言ってきた。その結果がこの人事なのか。

 首相官邸が内閣人事局を通じて官僚人事を支配する「権力の過度な集中」が一連の問題の背景にあるのは間違いない。

 安倍首相が先頭に立って是正する必要がある。

 加計問題では、首相秘書官時代に加計学園関係者と複数回面会していた柳瀬唯夫経済産業審議官が退任した。野党からは「疑惑隠し」との指摘が出ている。

 森友・加計問題の背景にある政官もたれあいの構図解明のためには、退任した関係者であっても国会に招致して徹底追及するほかないだろう。

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