道新 夢さぽ

内定率の実情は 発表値は実態より高め

07/19 10:01
内定率の実情は 発表値は実態より高め

 2019年春に卒業する学生の就職活動。学生優位の「超売り手市場」といわれる中、民間の大手就職情報会社が発表する内定率(内々定含む)は7割を上回っている。一方で、就活生や大学の担当者からは「実態はそれほど高くないのでは」と指摘する声もある。内定率の調査方法や、学生側はどのように判断すべきかを関係者に聞いた。

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 就職情報会社マイナビ(東京)によると、学生の内定率は6月末時点で前年同期比3ポイント増の76.3%。このうち道内は同2ポイント増の76.4%という。同社は、自社の就職支援サイト「マイナビ2019」に登録する学生に、インターネットのアンケートを通じて毎月答えてもらう形だ。今回の有効回答者数は5250人で、「回答者はピークの4月に比べて約2500人減った。就活を終えた学生も増え、実態と大きな差異はない」(道支社)と説明する。

 同様に、自社のサイトを通じて内定率を調査する就職情報会社は多く、リクルートキャリア(東京)は7月1日時点で81.7%、ディスコ(同)も同日時点で81.1%としている。

 ジェイ・ブロード北海道支社(札幌)は、インターネットに頼らず自社のイベントに参加したりサイトに登録したりした道内の学生に電話をかけて調べており、6月中旬時点の内定率は私大生68.3%、国立大生87%としている。

■全体傾向として参考に

 一方で、道内の複数の大学は「就職情報会社の発表は実態より高めでは」と受け止めており、6月末時点の内定率の大勢は30~50%程度とみている。北海道情報大の岩本和生就職課長は「就活を終えてからの報告が多いのでまだ伸びるが、実感としてはまだ5割弱程度」と話す。

 就活継続中という藤女子大4年の学生(21)は「就活を終えた友人も多いが、内定率が7、8割というのは高すぎると思う」と自分の周りと比べた違和感を口にする。

 こうした意見に対し、学生の内定状況調査に詳しい大阪経済大の小川雅弘教授(経済統計論)は「民間各社の調査は就活に積極的な学生からの回答が多く、内定率は実態より高くなりがち」と指摘。「確率論的には有効回答数は500~1000人は必要。最低基準の人数を定めた上で、未回答や連絡が取れない学生も母数に含めるなど調査方法の見直しを図るべきだ」とする一方で「速報値や全体傾向としては意味がある。参考としては学生にも役立つ」と一定の理解を示す。

■夏以降もまだチャンス

 全国私立大学就職指導研究会副会長を務める、札幌学院大の加藤祐司キャリア支援課長は「本学では約40%だが、全体的に内定率が高いと判断すれば企業側は採用予定数に達しないまま、20年卒の採用活動に軸足を移す可能性もある」と説明。「就活生の意欲が下がる懸念もあり、夏以降の求人への影響が心配だが、合同企業説明会を学内で開く大学や、学外で行われるイベントもまだまだある。学生は積極的に参加しチャンスをつかんでほしい」と強調している。(道新夢さぽ取材班 木村直人)

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