週刊コラム

JR北海道と公共性の危機

06/30 05:05

 JR北海道の経営の在り方について、北海道ではさらに迷走が続いているようである。この問題については前に本欄で書いたことがあるが、北海道のみならず、日本全体にとっての大きな課題なので、再度取り上げたい。

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 雑誌『都市問題』の6月号は、「地方鉄道をどう守るか」という特集を組んでおり、地域の鉄道をいかに守るか、示唆に富む論考が並んでいる。巻頭言で、藻谷浩介氏が重要な指摘を行っている。鉄道が赤字なのは世界の常識であり、人口密度の高いヨーロッパ各国でも、線路を公的機関が保有する上下分離方式など、公的支援で鉄道が維持されている。他方、日本では赤字の鉄道は不要という認識が蔓延しており、これは世界から見れば極めて非常識な発想であると藻谷氏は言う。

 我々の生活に不可欠な警察、消防、公立学校、道路などの公共サービス、インフラの整備・維持はすべて税金で行われる。人口密度の低い農山村、離島でも公平にサービスが提供される。赤字か黒字かなどという議論そのものが無意味である。人口の少ない地域で鉄道を維持するために公費を使うことに、納税者の合意は得られないという議論もあるだろう。しかし、北海道の場合、国鉄分割民営化の際に多くの路線が廃止され、地域はすでに十分痛みを受け入れている。道内の都市間をつなぐネットワークを維持することは、北海道という地域を守るためにも必要だと考える。地域の公共交通を守れという主張は、決して甘えやエゴイズムではない。

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