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【回答者 高野俊太郎弁護士】隣家の木 枝や根が伸び自宅の敷地に

2018/05/25 05:00
高野俊太郎弁護士
高野俊太郎弁護士

質問 隣家にイチョウの木があるのですが、枝や根が私の自宅の敷地内まで伸びてきています。秋になると庭にギンナンが落ちてきてにおいを放つので困っているのですが、隣家なのでもめたくはありません。何かいい方法はありますか。

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回答 ご質問にある、隣家の木の枝や根が自宅の敷地内に伸びてきたという場合にどうするか―との問題については、民法の規定が適用されることとなります。なお、法律は「枝」と「根」によって、その取り扱いを区別しているので、注意が必要です。

 まず、木の「枝」については、枝が敷地内に入ってきた場合、その木の所有者に対して、枝を切るよう求めることができるとされています。あくまでも「求めることができる」のであり、こちらが勝手に切ってもいいわけではありません。

 一方で、木の「根」が敷地内に入った時には、その所有者の了承を得ることなく、根を切ることができるとされています。つまり、勝手に切っても構わないとされています。

 ただし、隣家の木の枝や根が、自分の敷地内に入れば直ちに枝を切ることを求めたり、根を切ったりできるわけではなく、枝や根が敷地内に入ることにより、こちらに具体的な被害が発生していたり、被害が発生するおそれがあることが必要とされています。何も困っていることがないのに、少し枝や根が伸びただけで、隣家を裁判に訴えることができるというのも、現実的ではないですよね。

 ご質問では、ギンナンがにおいを放って迷惑をしているとのことですので、枝を切ることを求めることはできると考えられますが、根についてはどのような被害が発生しているのかわからないところもありますので、勝手に切るべきではないと考えられます。

 なお、ご近所付き合いは、長い年月にわたりますので、もめたくないというのはその通りだと思います。いきなり裁判という手段に訴えるのではなく、まずは、隣家の方と話し合いを行うのが良いと思います。それでも解決できないようでしたら、裁判所を通じた話し合いの手続き(調停手続きといいます)もありますので、ご検討ください。

(たかの・しゅんたろう)

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