社会

【回答者 花形満弁護士】個人で労組加入 配置転換で「ゴミ捨て係」に

2018/05/04 05:00
花形満弁護士
花形満弁護士

質問 会社員です。残業代が出ないのはおかしいと思い、個人でも入れるという労働組合に加入し、会社と交渉しました。その結果、残業代は支給されたのですが、人事異動の際に「ゴミ捨て係」という、会社内のごみを集めるだけの仕事をするよう命じられてしまいました。

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回答 あなたは、それまでに就いていた仕事から会社内のごみを集めるだけの仕事への変更を命じられたということですが、このように会社の人事異動で仕事内容や勤務地を変更することを配置転換といいます。

 配置転換には、従業員の部署や仕事内容等の変更を通じて会社組織の活性化をはかったり、従業員に適材適所で働いてもらいその能力を活用できるなどの利点があります。しかし、他方で、会社や上司が特定の従業員に対する嫌がらせなどの目的で配置転換をすることもあります。そこで、配置転換はどのような場合に許されるのかが問題となります。

 この点、就業規則に配置転換ができる定めがない場合や、当該従業員が専門職など特定の仕事をするために雇われたのに、他の種類の仕事に就かされる場合には、配置転換としては認められないとされています。また、以上のケースに該当しない場合であっても、配置転換が権利乱用にあたる場合には無効であるとされています。権利の乱用に当たるか否かについて、裁判例は、業務上の必要性がない場合や、業務上の必要性があったとしても、配置転換が不当な目的でなされた場合、従業員に対し著しく不利益を負わせるものである場合には権利の乱用にあたり、無効であるとしています。

 あなたの場合、就業規則の定めの有無や特定の専門職に就く雇用契約であったのか不明ですが、「ゴミ捨て係」という仕事の業務上の必要性が疑問な上、残業代の支払い交渉を労働組合に加入して行ったためになされたのではないかとも思われます。そうであれば、残業代の請求は従業員の正当な権利であるのにもかかわらず、それに対する「嫌がらせ」「仕返し」など不当な目的でなされた、またはあなたに著しく不利益を負わせる配置転換であったと評価される可能性が高いといえるでしょう。

(はながた・みつる)

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